2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規in vivo可視化技術を用いた真核細胞における遺伝情報発現機構の解析
Project/Area Number |
13GS0013
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
古久保 哲朗 横浜市立大学, 総合理学研究科, 教授 (10271587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 昌宏 京都大学, 工学研究科, 教授 (00202119)
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Keywords | 転写調節 / モニタリング / 遺伝子発現 / イメージング / NMR / MRI / ポリリン酸 / レポーター遺伝子 |
Research Abstract |
すべての生命現象は必要な遺伝情報がプログラム通りに正しく発現することにより支えられている。遺伝子発現プログラムにおいて最も重要な制御段階は「転写」であり、その制御反応に関与する蛋白質の多くはすでに同定されたと考えられるが、それらの生体内における作用機構の詳細は依然として明らかではない。本研究の目的は、生物個体における遺伝子発現を非破壊的に計測する新規手法の開発を行い、その手法を用いて真核細胞の転写制御を支える分子的基盤及びその作動原理を明らかにすることである。 無機リン酸のポリマーであるポリリン酸は、全ての生物に普遍的に存在し、^<31>P-NMRによる定量的なマイクロイメージングが可能であることから、遺伝子発現量をモニターする上で非常に有効なプローブになりうるものと考えられる。近年出芽酵母においてポリリン酸の合成に必要な遺伝子が複数同定され、これらの遺伝子の変異株はポリリン酸を蓄積できないにもかかわらず正常に生育することが明らかにされた。そこで我々はこれらの変異株を宿主とし、ポリリン酸合成酵素を新規レポーター遺伝子として用いてプロモーター活性を効率よくモニタリングできる手法を新たに考案し、昨年度までの研究においてほぼその基盤技術の開発に成功した。そこで今年度は本法を動物培養細胞や植物個体に適用し、酵母細胞の場合と同様、レポーター遺伝子の転写量に応じてポリリン酸の合成・蓄積が誘導されることを示した。しかしながら高等真核細胞の場合、酵母細胞に比較して蓄積されるポリリン酸量が少ないため、現時点での^<31>P-MRI検出感度では遺伝子発現を画像化することは困難であった。今後は動物個体も実験系に加え、動植物個体における遺伝子発現可視化のための^<31>P-MRI測定系の改良を進める予定である。
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Research Products
(6 results)