2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13GS0022
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
越川 孝範 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (60098085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 孝 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20103343)
安江 常夫 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (00212275)
木村 吉秀 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70221215)
吉川 英樹 (独)物質・材料研究機構, 物質研究所, 主任研究員 (20354409)
田口 雅美 アルバック, ファイ(株)・ナノテク事業部, 部長
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Keywords | 光電子顕微鏡 / 表面・界面物性 / 解析・評価 / 放射光 / ナノ材料 |
Research Abstract |
今年度は昨年度に引き続き開発したナノスコープの最適化を行った。さらに放射光を用いた高分解能実験に向けて、予備的な実験を開始した。まず、放射光施設SPring-8に装置を設置し、コバルトテストパターンの観察、シリコン表面上にインジウムを蒸着した試料について局所X線光電子スペクトルの測定、シリコン上にコバルトを蒸着した試料についてX線吸収スペクトルの測定とそのイメージング、磁気線二色性を利用したニッケル酸化物の反強磁性ドメインの観察などを行い、測定環境の整備、得られる像の強度の見積もりなどに関する基礎的なデータの取得を行った。 また、実験室ではW(110)上のCuの成長過程をこれまでに開発した高輝度水銀ランプシステム励起による光電子顕微鏡を用いて観察した。従来、光電子顕微鏡で観察されるコントラストは、仕事関数に依存するとされてきたが、この観察では仕事関数の変化からは期待できないものであった。この原因については今後より詳細な検討が必要であるが、Cuの蒸着量や、表面構造の変化に伴う表面電子状態の変化などを考慮する必要があることを示唆するものである。さらに、低エネルギー電子顕微鏡では同じ系においてCuダブルレイヤーの構造変化過程を初めて動的に観察することに成功した。さらにW(110)上のPbの成長過程においては、本来暗いコントラストとして観察される単原子ステップが、成長途中で明るいコントラストに変化することを見出し、この異常効果に関しても検討を行った。高分解能イメージングの結果得られる像の解釈は非常に重要な問題であり、こうしたコントラスト形成の基礎的なメカニズムに関して詳細な結果を得た。 以上のように、本研究はおおむね順調に進んでいる。
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Research Products
(12 results)