2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J00008
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 裕昭 京都大学, 数理解析研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | トーリックトポロジー |
Research Abstract |
平成25年度は, 研究課題"トーリックトポロジーに関連した幾何構造の研究"に基づき, トーリックトポロジーの主要な研究対象であるmoment-angle complexの上のトーラス同変な可微分構造の存在, および一意性について考察を行った. Moment-angle complexとは, 本来はシンプレクティックトーリック多様体のシンプレクティック商による構成の過程で表れる多様体であるが, Buchstaber-Panovにより, 一般の有限単体複体に対して定義され, かつその幾何学的実現が球面である際には位相多様体であることが示されている. また, Pamv-Luによってmoment-angle complexは単体的半順序集合に対しても定義され, 実現が球面である際には同様に位相多様体になることが示されている. これらが可微分多様体になるかどうか, というのは, 単体複体がstar-shapedであるならば, 対応するmoment-angle compiexが可微分多様体になることがPanov-Ustinovskyによって示されているが, その他のクラスについては未解決であり, Panov-Ustinovskyの論文中で問題提起がなされている. 当該年度においては, 大阪市立大学の枡田幹也教授との共同研究により, 単体的半順序集合に対するmoment-angle complexがトーラス不変な可微分構造を持つための強い必要条件及び十分条件を得た. 得られた必要条件と十分条件は, PLボアンカレ予想が真ならば一致するため, 精度の高い結果が得られたと言える. 当結果について, 現在論文の形に纏めている最中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Moment-angle complexはトーリックトポロジーにおいて基本的かつ主要な研究対象であり, かつ多くのトーラス多様体の構成および存在に密接に関連しているため, 当該年度に得られた成果は本研究課題の礎となる基本的かつ重要なものである. 当該年度は本研究課題の初年度であり, 2年目以降の研究のために必要不可欠なものである.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に得られた結果を踏まえ, moment-angle complexが微分多様体の構造を持つ場合の幾何学的構造の研究を推進する. また, より一般的な広い枠組みについても考察する.
|
Research Products
(6 results)