2014 Fiscal Year Annual Research Report
トカマクプラズマにおける加熱特性を考慮した乱流輸送機構と閉じ込め性能に関する研究
Project/Area Number |
13J00089
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
成田 絵美 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 磁場閉じ込め核融合 / 乱流輸送 / 閉じ込め性能 / ジャイロ運動論シミュレーション / プラズマ回転 |
Outline of Annual Research Achievements |
核融合実験装置JT-60Uにおいて、プラズマの回転方向によって電子温度の内部輸送障壁(ITB)に相違が見られ、回転方向がプラズマ電流と順方向のとき、逆方向と比較して、電子のエネルギー閉じ込めが改善されることが報告されている。ITBはプラズマからのエネルギーの流出を防ぎ、閉じ込めを改善するために、重要な役割を果たしている。また、対象としているITBは、比較的緩やかな温度や密度の勾配を持ち、負磁気シアだけでなく、正磁気シアのプラズマでも観測され、プラズマ中心部では弱い径電場シアを持っている。 本研究では上記のプラズマ回転と電子温度のITBの関係についてフラックスチューブ配位を用いたジャイロ運動論コードGS2を用いて解析を行った。前年度では、ITB領域における支配的な不安定性に着目した解析を乱流輸送の観点からGS2の線形計算により行ったところ、回転方向によって不安定なモードの実周波数に違いがあり、逆方向回転時の方が、より捕捉電子モード(TEM)的な傾向があることが示されていた。そこで本年度は、この実周波数の相違による電子熱輸送の変化をGS2の非線形計算により評価した。ここでは電子の熱拡散係数に対するイオンのそれの比を計算したところ、その値は順方向回転時よりも、逆方向回転時の方が高く、実験で得られていた結果と同じ傾向を示した。この結果より、順方向回転時ではTEMがより抑制されたために、電子のエネルギー閉じ込め性能が改善されたと考えられる。また、回転方向によって不安定性が異なる原因に着目したところ、プラズマ中の不純物の割合が関係していることが示唆された。この割合が回転方向によって変化することは、少なくともJT-60Uでは一般的に観測される傾向であるため、不純物の割合を考慮することで、電子熱輸送の予測性能向上に繋がる可能性があることを示した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)