2013 Fiscal Year Annual Research Report
環境の理解に基づいた人の社会的な行動のモデル化に関する研究
Project/Area Number |
13J00198
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
城所 宏行 大阪大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 社会的知能 / ヒューマンロボットインタラクション / コミュニケーションロボット / フィールド実験 / 行動理解 / 歩行者シミュレーション / 行動創発 / 行動計画 |
Research Abstract |
本研究では, 現状フィールドで活躍するロボットが街角で行動する時に起きる問題(ロボットの周りの混雑など)を技術的に解決し, ロボットの行動が環境により良い影響をもたらすようにするために, 環境の理解に基づいた人の社会的な行動のモデル化を目的とする. 本年度は, 申請時の研究計画内容である, (1)街角においてロボットの周りで発生する混雑のモデル化, に加えて新たに, (2)ロボットに対する子供の妨害行動のモデル化について研究を進めた。 (1)ロボットのまわりの混雑 : ロボットは人の興味を引く存在であるため, ショッピングモール内の狭い通路で行動する時などにロボットの周りで混雑現象が起こる. そこで, ロボットが行動する場合の混雑への影響を理解するために, 人が歩く時の邪魔に感じる度合いをモデル化し, ロボットがパースペクティブテイキングをできるようにした. また, 混雑現象を予測する歩行者シミュレーションを作成し, 事前にモデルに基づいて行動を計画することで混雑問題が解消されるかどうかをフィールド実験によって確認した. この内容は当該研究分野で最難関の国際会議HRI2013(採択率25%)で発表しBest Full Paper Award(最優秀論文賞)を受賞した. さらにその研究を拡張し, ロボットが自身の会話の影響を扱え, かつ事前にも, 環境の状況に応じて動的にも行動を計画可能にするためのシステムとして統合した. (2)ロボットに対する子供の妨害行動 : 子供のロボットに対する行動は, 時に過剰となり, 結果としてロボットのサービスが妨害される現象を, フィールドでロボットを動かす調査の中で複数観測した. そこで, 子供の妨害行動を予測するために, 子供の妨害行動をモデル化し, 歩行者シミュレーションを用いて予測できるようにした. また妨害を克服・回避する方法を探索的に試み, 妨害を低下させるための動的な行動計画システムを構築し. 実証実験によりその効果を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ロボットのまわりの混雑のモデル化について研究成果を発表していることに加え, 当初の計画内容から取り組む課題を発展させている. またフィールド調査の中で気づいた新たな課題である, ロボットに対する子供の妨害行動の問題についても, その技術的な解決に積極的に取り組み, かつその最終段階まで進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
ロボットのまわりの混雑のモデル化から発展した研究の成果と, 新たに取り組んでいるロボットに対する子供の妨害行動のモデル化の研究成果をまとめ, 国際ジャーナル, 国際会議に投稿する. また, 今まではフィールドでロボットが引き起こす問題の解決, というようにロボットによる負の影響を扱った. そこで, 今後はこれまでに構築したシステムを利用し, ロボットが自身の存在による環境に対する正の影響を理解するためのモデル化に取り組む.
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Research Products
(2 results)