2013 Fiscal Year Annual Research Report
食品分析の為のシリコン導波路によるテラヘルツ波分光法の開発
Project/Area Number |
13J00213
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内藤 啓貴 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | テラヘルツ波分光 / シリコンロッド / 食品分析 |
Research Abstract |
(1)高輝度セラミックヒーターとシリコンロッドのカップリング効率 アパーチャー径を2.5㎜とする際の集光点におけるビームプロファイルをナイフエッジ法により確認した. ビーム径をシリコンロッド径と同じく直径程度に成形することで電磁波をロッドに入射する際のカップリング効率が最大となるTEM_<oo>モードでロッドに入射することが示唆された. ビーム強度の半値幅は1.5㎜であった. (2)シリコンロッドを用いた液体のセンシング 6㎜アパーチャー径を用いた場合のシリコンロッドのエバネッセント波を用いた水の吸収を測定することに成功した空気と水の測定時にDTGSに入力される電圧値と双方の測定値より水の吸光度スペクトルを取得した. 本実験の結果, 以前測定されている高圧水銀ランプと日本分光製のFARIS-1Sの干渉部を用いた結果と同様に, 400-200cm^<-1>において, 水によるDTGSに入力される信号強度の減衰を確認することができなかった. これは, ロッド径が5㎜であり, 100分の1以下のスケールである50μm以下の波長においてエバネッセント波の浸み出しも弱くなったと考えられる. 200cm『1以下の低波数領域において80cm璽夏で比較した所, ATRでの吸収と比較して, 17%程度の吸収であった. 従来の高圧水銀ランプを用いた実験では同一の光学系で7%程度の吸収であったことから, 250%程度の吸収が得られたこり結果は, 成形されたビームスポットをアパーチャーにより作成じ, ビームをカップリングすることで, ロッド中の最低次伝搬モードの形成による効果的なエバネッセント波の発生が示唆された. また, 使用するシリコンロッド径を細くすることで, エバネッセント波の浸み出しが深くなり, 取得できるサンプルの情報量が増加すること, ロッドの中心部の直径を両端よりも細くすることで, 同様に取得できるサンプルの情報量が増加することが分かっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セラミックヒーターとアパーチャーを組み合わせることでシリコンロッドに入射されるTHz波のカップリング効率が向上し, 水の吸収スペクトル測定時の感度が250%となったことから高感度化が順調に達成されているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
水蒸気による吸収の影響が大きく, 水と重水を識別するために十分な信号を取得できなかったために真空引き用筐体を用いて、信号強度の向上を目指した測定システムを構築する。本装置を用いてサンプル前処理や測定手順など実用化が可能な測定プロコトルを構築し農産物や食品分析の現場に応用する。また、対象となる実験法として取り組んでいるATR法による食品中の沈澱物の高感度測定が可能であると示唆されたためこちらに関しても取り組む予定である。
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Research Products
(6 results)