2013 Fiscal Year Annual Research Report
ネーター環のアトム・スペクトラムと導来圏の局所化部分圏の研究
Project/Area Number |
13J00249
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神田 遼 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Grothendiedck圏 / アトム・スペクトラム / 色付きクイバー / 素局所化部分圏 / 部分圏 |
Research Abstract |
Grothendieck圏は環上の加群のなす圏を一般化した概念であり、加群圏の他にもスキーム上の準連接層の圏などの重要な例が含まれる。Grothendieck圏Aのアトム・スペクトラムASpecAは、可換環Rの素イデアルの集合SpecRの一般化であり、このASpecAの分析を通じて、A及びAの導来圏の重要な部分圏を分類することが本研究の目的である。 研究代表者は任意のGrothendieck圏Aに対して」Aのアトム・スペクトラムASpec Aの元とAの素局所化部分圏(prime localizing subcategory)が1対1に対応することを示し、ASpecAの半順序構造が素局所化部分圏の包含関係の構造と一致していることを示した。 また、研究代表者は色付きクイバーの概念を導入して、任意の半順序集合がGrothendieck圏のアトム・スペクトラムとして現れることを示した。これは可換環論におけるHochsterの定理に相当するものであり、Grothendieck圏及び環の多様性を示す重要な結果である。研究代表者は色付きクイバーの手法を応用して、様々な注目すべき性質を持つGrothendieck圏を構成した。その1つとして、アトム・スペクトラムASpecAが空集合となるような0でないGrothendieck圏Aを構成し、Popescuの予想「任意の0でないGrothendieck圏は素局所化部分圏を持つ」に反例を与えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Grothendieck圏のアトム・スペクトラムの元が素局所化部分圏と1対1に対応するという部会圏の分類に関する重要な結果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Grothendieck圏のアトム・スペクトラムに関する研究を継続するとともに、Grothendieck圏及び三角圏の構造を反映するような他の概念の探索を進める。そのための1つの試みとして、Grothendieck圏の重要な例である、スキーム上の準連接層の圏の部分圏の構造を調べる。
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Research Products
(15 results)