2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J00269
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
蛭子 彰仁 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超幾何関数 / 隣接関係式 / 昇降演算子 / 超幾何恒等式 |
Research Abstract |
研究課題である「超幾何級数の隣接関係式」について以下の研究を行った。 1. Gaussの超幾何級数の隣接関係式を計算する方法を新たに構成した。以前から知られていた方法と比べ、計算量が非常に少なく済むので、低スペックの計算機でも高速に計算できるようになった。この方法を実装したプログラムをインターネット上に公開中である。ただし、この高速計算法をさらに拡張して、Gaussの超幾何級数をより一般化した超幾何級数達の隣接関係式を求めるようにするには、一層の工夫が必要であり今後の研究課題となっている。 2. 超幾何級数は「隣接関係式を持つ」という性質を持っている。この隣接関係式を用いることによって、超幾何級数を閉形式(初等関数やガンマ関数を有限個組み合わせたもの)で表す手法を開発した。この手法をGaussの超幾何級数に対して適用することによって、今まで知られていたほとんど全ての超幾何恒等式は勿論、多くの新しい超幾何恒等式を得た。 3. 可約な一般超幾何関数の満たす微分方程式は、有理関数係数の微分作用素によって因数分解されることが知られているが、具体的には昇降演算子(という微分作用素)によって因数分解されることを明らかにした。この事実と「昇降演算子は超幾何級数の積の和を用いて表される」という事実を用いて、3階の可約な一般超幾何関数の満たす微分方程式を、超幾何多項式を用いて明確に因数分解した。この因数分解の副産物として、幾つかの不思議な超幾何恒等式を得た。 また、以上の研究とは別に、大阪教育大学の町頭義朗准教授と懸垂面の離散化の研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に書かれた内容の7割は達成しており、また残りの3割の内容も論文として未だまとめていないだけで計算は終わっているため、おおむね予定通り進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
理論をより一般化し、プログラムとして実装する。
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Research Products
(5 results)