2015 Fiscal Year Annual Research Report
コーヒー由来生理活性物質による運動時の骨格筋代謝活性化
Project/Area Number |
13J00300
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津田 諭志 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | カフェイン / コーヒー / 運動 / 骨格筋 / AMPキナーゼ / 糖代謝 / 筋収縮 / 筋疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
カフェインが筋収縮時の骨格筋代謝に及ぼす影響に関する検討を行った。ラット単離骨格筋インキュベーション系を用いた検討で、カフェイン(3 mM、30分)は収縮誘導性5’-AMP-activated protein kinase(AMPK)活性化とインスリン非依存性糖輸送活性を相加的に促進し、その際エネルギー状態の指標であるATP、クレアチンリン酸含有量をより低下させた。一方、グリコーゲン含有量に対するカフェインの影響は観察されなかった。さらにカフェインの刺激時間を120分に延長したところ、いずれも30分刺激時と同様の変化が観察された。カフェイン細胞内濃度はインキュベート開始後30分までに緩衝液中濃度を超えるレベルに上昇することが観察され、その濃度はカフェイン曝露120分後においても維持されていたが、筋収縮の有無による影響は受けなかった。カフェイン存在下では、30分、120分のいずれの刺激時においてもカフェイン非存在下での群と比較して収縮による発揮張力の減衰が緩和された。さらに骨格筋の細胞内Ca2+濃度変化の指標であるCa2+/calmodulin-dependent protein kinase II(CaMKII)についても相加的 にリン酸化が亢進し、カフェイン存在下ではテタヌス収縮時の最大発揮張力に有意な増加が認められた。一方、カフェイン同様コーヒー由来生理活性物質であるカフェ酸(1 mM, 30分)、クロロゲン酸(1 mM, 30分)はいずれも発揮張力の減衰に影響を及ぼさなかった。 以上の結果から、カフェインは収縮時骨格筋のAMPK活性化、及びインスリン非依存性糖輸送活性を相加的に促進し、その機序として、少なくとも部分的には骨格筋の細胞内Ca2+濃度の増加を伴う最大発揮張力の増加、及び筋疲労の軽減と、その結果としての筋細胞内エネルギー状態低下を介している可能性が示唆される。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)