2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J00312
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小野塚 友一 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 多重ゼータ関数 / 平均値定理 / 非零領域 |
Research Abstract |
平成25年度の研究計画の中では研究内容を①零点、②非正の整数点における値、③2乗平均を始めとしたk乗平均、の3つとしていた。よってこの3つについてそれぞれ研究成果を述べる。まず①の零点については等号付き多重ゼータ関数にっいて、絶対収束領域における非零領域を求める研究を行い完成させた。この結果に関する原稿を現在執筆中である。この多重ゼータ関数はリーマンゼータ関数のある種の一般化であるために、この研究を進めていくことでリーマンゼータ関数の非零領域を考えるヒントが得られる可能性がある。そのため零点の研究は非常に重要である。次に②の非正の整数点における値については、非正の整数点における値に関する論文で平成25年度以前に投稿していたものが出版された。この論文に続く結果を得るためにセミナーを行うなどして研究をし、現在は前の論文では求めることができなかった整数点での値がいくつか求まっている。より多くの整数点で値を求めるために、平成26年度以降もこの研究を継続していく予定である。最後に③の2乗平均を始めとしたK乗平均については、岡本卓也氏との共同研究でMordell-Tornheim型2重ゼータ関数の2乗平均に関する結果を得て雑誌に投稿した。また多重L関数のDirichlet指標に関するある種の平均値も共同研究を行い、結果を得て雑誌に投稿した。リーマンゼータ関数のk乗平均はLindelof予想を考える上で重要な情報である。リーマンゼータ関数の2乗平均の一つの拡張としてMordell-Torrnheim型2重ゼータ関数の2乗平均を求めた。2乗平均の段階で証明がかなり複雑であるため、一般のk乗平均はより複雑になり非常に難しい問題であると考えられる。 これ以外にも平成26年度の研究計画にある多重ゼータ関数の関数等式を研究するための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で述べた研究にっいては、研究計画通りに進んでいると考えている。また、いろいろな研究集会に参加し、自分の研究結果の発表および情報収集を行うことができた。ただ、少し研究集会参加の方に力を入れすぎた感がある。そのため研究集会の参加をもう少し減らし、もっと研究に力を入れるべきだったと考えている。そのため評価を②とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は①Euler-Zagier型、Mordell-Tbrnhein型、Apostol-Vu型等の様々な型の多重ゼータ関数の間に成り立つ関係、②関数等式の2つについて新たに研究を始める。また平成25年度から継続して多重ゼータ関数の非正の整数点における値について研究を行う。平成25年度の反省をもとに、平成26年度は研究集会参加よりも研究自体に力を入れていく予定である。
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Research Products
(10 results)