2014 Fiscal Year Annual Research Report
ユーラシアステップ植生の体系化と種分布モデルによる群落の将来分布予測
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13J00343
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 康平 筑波大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ユーラシアステップ / 植生学 / 植物社会学 / 将来分布予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国北東部からハンガリーにかけて広大に広がるユーラシアステップ(以下ステップ)では,近年放牧や耕作といった人為圧の増大による草原退行・砂漠化が急速に進行している.このような現状においてステップにおける持続的な草原利用に寄与するために,種組成に基づく植生の体系化と,植生の体系化により区分された群落の将来分布予測を行った. モンゴルを中心に多点で植生資料の収集を行い,既存研究の植生資料とともに植物社会学的方法による群落区分を行った.さらに区分された群落の分布を規定する環境要因を明らかにするために,降水量や気温の因子を説明変数とする多変量決定木モデルを構築し,その結果を用いて将来分布予測を行った. 群落区分を行った結果,主としてCleistogenetea squarrosae Kononov, Gogoleva et Mironova 1985のオーダーであるStipetalia krylovii Kononov, Gogoleva et Mironova 1985に属する群団について群落体系の整理・改善が行われた. 多変量決定木モデルの構築を行った結果,各群落の分布を規定する気候要因として降水量に関係する因子と気温に関係する因子の両方が選択され,乾湿傾度で各群落の分布が規定されていることが示された.その結果を用いて現在気候下における分布を予測した結果,各群落の分布は高精度で予測された.そこで将来分布予測を行った結果,モンゴル中東部においてステップの分布は南に分布ポテンシャルを拡大する可能性が示された.一方でモンゴル南西部ではステップの分布は縮小する可能性が示された. 今後本体系を用いることで各地域の本来分布しうる群落の種組成やその特徴を容易に把握することが可能となる.また将来分布予測結果を用いることで将来的な植生変化を考慮した草原利用方法の構築が可能になると考えられる.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)