2014 Fiscal Year Annual Research Report
スズメガ科性フェロモンシステムの種特異性:成分多様性と嗅覚応答特性の俯瞰的解析
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13J00352
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
上原 拓也 筑波大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 性フェロモン / 情報化学物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,スズメガ科の性フェロモンによる種認識機構を明らかにすることを目的としており,今年度は,スズメガの性フェロモン同定に加えオスの行動解析,生合成機構の解析を行った。 1. スズメガの性フェロモンの同定 スズメガ科の一種であるクロスキバホウジャク (Hemaris affinis) から性フェロモンとして,3成分,(Z)-11-hexadecenal と (10E, 12Z)- 及び (10E,12E)-10,12- hexadecadienals の45:20:35混合物を同定した (Uehara et al. 2015)。また,ホシヒメホウジャクから3成分 (a, b, c) の97:1:2混合物を性フェロモンとして同定した。 2. ホシヒメホウジャクの性誘引行動の解析 ホシヒメホウジャクから検出された性フェロモンの3成分 (a, b, c) それぞれの機能を,室内の行動アッセイ系である風洞装置で精査した。その結果,それぞれの成分は,オスに対して全く異なった機能(a成分は誘引活性,b成分は誘引活性阻害,c成分は誘引にも抑制にも寄与しない)を持つことが明らかになった。誘引活性阻害を引き起こす b成分は,ホシヒメホウジャクと時空間的に同期発生する他種が性フェロモンとして利用している成分でもあるため,b成分に対するオスの忌避性が性フェロモンの種特異性に貢献する可能性が考えられる。 3. 性フェロモン生合成経路の解析 昨年度,サザナミスズメから奇数炭素鎖を持つ新規性フェロモン化合物を同定した。メスの性フェロモン分泌腺中の脂肪酸前駆体の分析および標識化合物の取込み実験から,新規性フェロモン化合物の生合成経路と生合成のための生化学反応を推定した。今年度は,これらを分子レベルで裏付けるため,次世代シーケンサーを用い性フェロモン分泌腺で発現しているmRNAの網羅的解析を行った。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)