2013 Fiscal Year Annual Research Report
光直接記録に向けた近接場光発生素子の設計とシミュレーション法の開発
Project/Area Number |
13J00372
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岸本 誠也 日本大学, 理工学都, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光直接記録 / 近接場光 / 電磁界解析 / 積分方程式法 / 数値逆ラプラス変換法 / ナノアンテナ |
Research Abstract |
本研究の目的は, 既存の磁気記録に対し10万倍の書き込み速度の向上が可能な光直接記録の実現に向けた近接場光発生素子の設計である. また, 素子の設計に用いる, 高速かつ高精度な電磁界シミュレーション手法の開発を目的とする. 本年度は, (1)新奇電磁界シミュレーション手法の開発と検証, (2)提案手法を用いた円偏光発生素子の設計, について研究を行った. 昨年度までに研究員が開発したシミュレーション法は, 解析対象物の寸法が入射波長に比べ十分小さい場合に特に有効な手法である. しかし, 近接場光生成素子の設計などでは, 入射波長に対し対象物が数分の1波長程度になる可能性があるため, 十分な計算精度が得られない問題点があった. これを改善するため, 積分方程式法として均一な誘電体の散乱解析などに用いられるPMCHWT法を使用する新たな電磁界時間応答シミュレーション手法を開発した. 本提案法の計算プログラムを作成し, 数学的に厳密解が得られる球の散乱問題を解析した。この結果, 厳密解との相対誤差を1%以下に制御できる, 任意の時間刻み幅に対しても計算誤差を1%以下にできる, ことから本手法の信頼性と有用性を明らかにした. また, 金属球の寸法が入射波長に対し数分の1から数十分の1となる場合の近接場光解析などを可能とし, 従来手法に対する優位性を明らかにした. 更に, 提案したシミュレーション手法を用いて, 従来法では計算精度の点から解析が困難である光直接記録の実現に向けた近接場光発生素子の設計を行った. この技術では高密度磁気記録のため局所的な円偏光の生成が必要である. 直線偏光からアンテナ中心部に局所的な円偏光を生成するクロスバー型素子の設計を行った. その結果, 素子中心部付近に局在した円偏光が生成されることを明らかにし, 本素子により1平方インチあたり2Tbitsの情報を記録可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(抄録なし)
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(13 results)