2013 Fiscal Year Annual Research Report
Mind-Brain-Human-Interface技術開発に向けての基盤研究
Project/Area Number |
13J00458
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀 翔太 京都大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 脳波(EEG) / メディアアート / 共感 / 交通心理 / NIRS / 視線計測 / 運転シミュレータ |
Research Abstract |
(1)メディアアートとの融合 ヒトの感情や情動といった精神活動は、他人との関わり合いの中で活発になるものがあると考えられる。その一つに、共感がある。ここでは、共感とは「他人の表情や言動から、その人の心情を理解しようとする精神活動である」と定義した。これをメディアアート作品に応用したものが「E-motion」である。この作品では、まず様々な表情を提示した際の脳波を記録し、次にK近傍法を用いたパターン認識により、再度提示した表情の中から最も再現性の高い表情を判別し、この表情を「最も反応した表情」として最後に再度提示するものとなっている。この作品は成安造形大学内のキャンパスが美術館で、2013年5月18日から6月16日まで展示し、一般公開した。インフォームドコンセントを頂いた実験参加希望者の方を被験者とした。被験者数は100名を超え、老若男女問わず、広くアウトリーチ活動を行うことができた。実験で得られたデータを解析した結果、いくつかの改善点が明らかになった。これを踏まえ、平成26年度も作品の展示を行う予定である。 (2)運転時のドライバーの心理状態を脳機能計測や生理的指標から推定する技術開発 この研究は、国土交通省国土技術総合研究所の委託を受けた京都大学大学院工学研究科との共同研究である。目的は、運転時のドライバーの心理状態を機能的近赤外分光法(fNIRS)と心電図、視線計測などの生理的指標から推測することであり、シミュレータを用いて、単純な環境下で実験を行った(写真右は被験者と計測装置)。運転時におけるカーブでの膨らみや壁への衝突などといったミスの回数と、脳血流変化、視線移動に関連が見られた。これらの結果を踏まえ、さらに詳細な検討を行うために平成26年度も継続して研究する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたメディアアートとの融合研究に加え、運転時のドライバーの心理状態を脳機能計測や生理的指標から推定する技術開発を進めており、いずれも成果が挙げられたため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に得られた結果を基に、さらに研究を進め、ヒトの情動や感情といった精神活動を生理的データから推測する技術開発を推進する。
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