2014 Fiscal Year Annual Research Report
回転球面上の乱流からのパターン形成に関する理論の構築
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13J00465
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 泉 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 木星 / 東西ジェット / 赤道西風 / 乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主として、木星や土星に見られる赤道西風を動機とした回転球面上浅水系強制乱流における赤道西風形成の過程についての研究に取り組んだ。多数のアンサンブル実験および弱非線形理論を用いることで、これまで明らかにされていなかった赤道西風の形成メカニズムを明らかにした。この研究は年度内に投稿論文としてまとめられ, 既に雑誌に掲載されている。 また、論文審査中に行った追加実験において、過去に赤道ベータ平面乱流の研究で明らかにされた別の赤道西風形成のメカニズム(Farrell and Ioannou, 2009)が、本研究にも関係している可能性を示唆する結果が得られた。この点については今後の研究で明らかにする必要がある。 一方で、回転球面上の非発散渦度方程式における帯状構造の出現に関連する保存量に関する研究も行い, 既に論文を投稿している。先行研究(Saito and Ishioka, 2014)で開発した保存量を導出する手法を球面系に応用する際の困難は、厳密に共鳴する三波相互作用の情報を最小化問題にいかにして組み込むか、という点であったが、最小化問題を解く際の拘束条件として加えることで解決することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度に行う予定であった、回転球面上浅水系強制乱流における赤道西風形成の過程についての研究は計画どおりに雑誌掲載が完了した。更に、来年度に行う予定であった回転球面上の非発散渦度方程式における帯状構造の出現に関連する保存量に関する研究についても、本年度中に論文化・投稿まで済ませることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在提出中の、回転球面上の非発散渦度方程式における帯状構造の出現に関連する保存量に関する研究の論文で、研究計画に記された研究は概ね完了となる。来年度は研究計画の最終年度にあたるので、主として、これまでの研究をまとめた博士論文の執筆と、学会での研究成果の発表に取り組む予定である。
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Research Products
(4 results)