2015 Fiscal Year Annual Research Report
回転球面上の乱流からのパターン形成に関する理論の構築
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13J00465
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 泉 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 木星 / 東西ジェット / 準保存量 / 乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大気や海洋における大規模な準二次元的流体運動を記述する方程式において、木星で観測されるような帯状構造(緯度方向に交互に並ぶ卓越した東西ジェット)が現れるメカニズムを明らかにすることであった。本研究が着目したのは、上記の流体運動を記述する単純な二次元の方程式である「準地衡渦度方程式」において、近年発見された「ゾノストロフィー」という準保存量である。この保存量の保存性によって、準地衡渦度方程式に支配される乱流からの帯状構造の形成を説明できることが、先行研究によって証明されていた。 本研究は、準地衡渦度方程式のような二次元平面上の方程式だけでなく、回転球面上の方程式にもゾノストロフィーのような準保存量が存在すると考えた。そこで、本研究が以前に開発した、準保存量を最小化問題を解くことによって数値的に求める手法を、球面上の準二次元的な流体運動を記述する方程式である「回転球面上の非発散渦度方程式」に応用し、ゾノストロフィーに対応する準保存量を導出することに成功した。この準保存量は、エネルギーにある重みをかけた量として定義され、その重み係数は、波数空間において等値線が翼形になるような分布をしている。このような分布によって帯状構造の形成にいたるエネルギーの分布の変化を説明することができる。回転球面上の非発散渦度方程式の減衰性乱流シミュレーションを行うことで、導出した準保存量の保存性を確かめた。準保存量は、惑星回転が十分に大きく、帯状構造が現れる場合に良く保存していた。昨年度末に英文雑誌に提出していた以上の研究成果は、受理され掲載された。 また研究最終年度である本年度は、これまで得られた知見を博士論文にまとめる作業に取り組んだ.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)