2013 Fiscal Year Annual Research Report
回帰数列族の乗法構造の考究と指数型ディオファントス方程式
Project/Area Number |
13J00484
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮崎 隆史 日本大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 指数型ディオファントス方程式 / Jesmanowicz予想 / Terai予想 / Baker理論 |
Research Abstract |
特別な指数型ディオファントス方程式a^x+b^y=c^zについて研究を行った。特に、Jesmanowicz予想とその一般化問題であるTerai予想についてである。Jesmanowicz予想は、a, b, cがピタゴラスの三つ組みを成すときに、方程式は非自明な自然数解を持たないことを主張する。研究員は、ディオファントス問題に精通するPingzhi Yuan氏(華南師範大学)と共同研究を行い、研究員の以前のJesmanowicz予想に関する研究結果を広く拡張した。また、藤田育嗣氏(日本大学)との共同研究では、研究員と氏の以前のJesmanowicz予想に関する共同研究の成果を広く拡張した。Terai予想は、1より大の自然数の中に解を持つ指数型ディオファントス方程式は、いつくかの例外を除いて非自明な自然数解を持たないことを主張する。既知の研究の多くは、ある「特殊」な場合において予想が部分的に成立することが考察されていたが、Florian Luca氏(メキシコ自治国立大学モレリア数学研究所)は、その場合においては本質的に無条件で予想が成立することを証明した。彼は以前の研究手法と、Bakerの理論のp進類似を組み合わせ巧みな計算を行い、予想はa, b, cが十分に大ならば成立することを証明した。Luca氏の結果はエフェクティブに記述されるが、Luca氏はそれを行っていなかった。研究員はその計算を明示的に実行し、かつLuca氏の手法を一般化した。本研究について、筑波大学で行われた研究集会Diophantine Analysis and Related Fields 2014および学習院大学で行われた日本数学会において発表した。その他の関連する研究として、寺井伸浩氏(足利工業大学)との共同研究では、a, b, cが多項式の形で表現される場合を扱い、研究結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
F. Lucaによる、Terai予想のある特殊な場合を部分的に解決した研究の証明を修正し、Bakerの理論で保障された方程式の例外パラメータの上限を明示的に書き表すことに成功した。さらには、Lucaの手法を広く拡張することが出来た。また、当初の予定に無かった海外研究者らと共同研究を行う機会を得て、研究成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
F. Lucaの研究におけるTerai予想の方程式の例外パラメータについて得られた上限を、計算機で扱える程度までより小さい評価を得ることを目指し、すべての例外を調査し、その場合にTerai予想を証明することを目指す。また、Lucaの手法のさらなる拡張を考察し、Terai予想の一般的場合についてLucaが示した定理と同様の研究結果を得ることを目指す。また、より一般的な単数方程式の例として、Bakerの理論が適用されない多項の指数型ディオファントス方程式の研究を行う。
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Research Products
(5 results)