2015 Fiscal Year Annual Research Report
含リン脱離基法を機軸とするシアル酸含有複合糖鎖の立体選択的合成
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13J00596
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柿田 浩輔 北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | グリコシル化反応 / オリゴ糖鎖合成 / ウイルス / 糖ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
単純ヘルペスウイルス(HSV)は多様な疾患を引き起こす病原性ウイルスである。2008年にHSV-1のウイルス粒子の表面に存在する糖タンパク質glycoprotein B(gB)とヒトの細胞表面分子であるpaired immunoglobulin-like type 2 receptor α(PILRα)が会合することがウイルスの感染成立に必須であることを報告した。 これまでに我々は2-アジド-2-デオキシガラクトシルジフェニルホスファートを糖供与体として用いるα-選択的グリコシル化反応を開発し、TN糖鎖抗原の効率的な構築を達成した。昨年度までに、本グリコシル化反応を用いて合成したシアリルTN糖鎖抗原をもつ糖ペプチドが、PILRαに結合することでHSV感染を阻害することを明らかにした。さらに、糖鎖抗原のガラクトサミン部が結合活性に及ぼす影響を明らかにするために、グルコサミン型および4-デオキシグルコサミン型糖ペプチドを合成し、ピラノースの4位水酸基がアキシアル位を占めることが重要であることを見出した。 本年度は糖鎖が活性発現に及ぼす影響を明らかにするために、含リン脱離基法を基盤とする収束型オリゴ糖鎖合成法を活用して、ジシアリルT糖鎖抗原四糖を有する糖ペプチドを合成し、リガンドレセプター間相互作用を等温滴定カロリメトリーを用いて測定した。その結果、天然型には及ばないものの高い結合定数を示し、エントロピー駆動型の結合様式から新たに加えたシアリルガラクトースユニットが配座制限基となっていることが示唆された。本研究は糖鎖構造および官能基がPILRα結合活性に及ぼす影響を明らかにしたものである。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)