2014 Fiscal Year Annual Research Report
果実食を選んだ食肉目パームシベット-採食戦略の解明-
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13J00597
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中林 雅 京都大学, 野生動物研究センター, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 採食戦略 / 果実食 / 食肉目 / 消化・吸収 / 果実選択 / ボルネオ島 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、「ボルネオ島における果実食性食肉目パームシベットの採食生態の解明」に関する研究を平成26年度に完了した。パームシベットは肉食に適した歯や消化器官などの形態を保持しているが、食物の7割以上が果実で構成されている。そこで、1.彼らの短い消化器官でどのような栄養素をどの程度消化・吸収しているのか、2.どのようにして摂取エネルギーの最大化を図っているのか、の2点について、評価を行った。 研究代表者はこれまでに、飼育個体のパームシベットを用いて、彼らは果実の主要栄養素である炭水化物を、他の果実食者と比較してもほとんど消化・吸収できないことを解明した。次に野外で、どのような果実を、どのように採餌してるのか、を調査した。その結果、パームシベットは、水溶性糖分を多く含むタイプの多肉果実のみを採餌し、脂質を多く含むタイプの多肉果実と果皮が乾燥しているタイプの果実を少なくとも積極的に食べないことが判明した。また、採食パッチ内では、結実している果実のにおいをひとつひとつ嗅ぎ、その中から水溶性糖分を多く含む果実を選出して食べていることが明らかになった。 水溶性糖分の吸収は、小腸内で浸透圧によって行われるもので、非常に単純である。一方、脂質は消化に複雑な処理が必要である。また、果皮が乾燥している果実は、一般的に消化が困難である。したがって、パームシベットは短い消化器官でも効率的に糖分からエネルギーを摂取できるような、採食戦略を取っていることが判明した。 研究代表者は、研究課題に関する論文を学術雑誌に投稿し、受理された。また、研究課題の内容を国際会議で2回発表を行った。研究課題をまとめたものを博士論文としてまとめ、平成26年度に学位を取得した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)