2015 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムイオン内包フラーレンを用いた酸化還元複合光触媒システムの構築
Project/Area Number |
13J00627
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川島 雄樹 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 金属内包フラーレン / 超分子 / 電荷分離 / 人工光合成 / 触媒 / 太陽電池 / 有機デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
リチウムイオン内包フラーレンを電子アクセプターとする超分子系の電荷分離システムの構築に関する研究が大きく進展した。その成果は原著論文として3報掲載された。これらの電荷分離システムは、酸化還元複合光触媒系において非常に重要な要素である。 採用初年から構築した電荷分離システムは、光誘起電子移動のみによって電荷分離状態を生成していた。 そこで今年度は、イオン添加によって制御される熱的な電荷分離と光照射による電荷分離を組み合わせ、超分子3量体内での二段階の電子移動反応が進行する電荷分離システムの構築を行った。その結果、熱的な電荷分離を起こすことが出来た。この電荷分離状態は非常に安定である。また得られた超分子に光照射を行うとポルフィリンが励起され、ポルフィリンから電子ドナーへの光誘起電子移動が進行した。さらに、リチウムイオン内包フラーレン: Li+@C60を電子アクセプターに、環状ポルフィリン2量体および環状分子([4]cycloanthanthrenylene)を電子ドナーとする錯形成定数が大きな超分子を構築し、電荷分離システムとしての性能評価を行った。環状ポルフィリン2量体を用いた際の錯形成定数は10^6 M^-1と大きな値を得ることが出来た。また電荷分離寿命も0.56 msと非常に長寿命であった。 電荷分離システムの構築の過程で得られた知見は、酸化還元複合光触媒系のみならず太陽電池や有機デバイスなどの作製においても有益なものである。太陽電池への応用は昨年度報告済みであるほか、本年度は得られた電荷分離システムを用いた有機デバイスの作製も試みた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Modulation of Energy Conversion Processes in Carbonaceous Molecular Bearings2015
Author(s)
Hitosugi, S.; Ohkubo, K.; Kawashima, Y.; Matsuno, T.; Kamata, S.; Nakamura, K.; Kono, H.; Sato, S.; Fukuzumi, S.; Isobe, H.
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Journal Title
Chem. Asian J.
Volume: 10
Pages: 2404-2410
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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