2013 Fiscal Year Annual Research Report
サイトメガロウイルス感染症に対する宿主応答における免疫受容体の機能解明
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13J00630
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹中 江里 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | サイトメガロウイルス / 免疫受容体 / マクロファージ / 樹状細胞 |
Research Abstract |
1、目的 サイトメガロウイルス(CMV)感染症に対する宿主応答における、マクロファージや樹状細胞上の抑制性免疫受容体Allergin-1の機能を解明する。 2、結果 CMV感染症におけるAllergin-1の役割を調べるため、野生型マウスおよびAllergin-1pt伝子欠損マウスにマウスサイトメガロウイルス(MCMV)を感染させ生存率を比較した。その結果、野生型マウスとAllergin-1遺伝子欠損マウスとで生存率に著明な差は認められなかった。このことより、Allergin-1はCMV感染症に対する免疫応答において生存率に関与するほどの重要な役割は果たしていないと考えられた。 次に、CMV感染症における免疫応答の特徴とAllergin-1の関与を調べるため、野生型マウスにMCMVを感染させ脾臓および腹腔における免疫細胞の割合とAllergin-1の発現を検討した。その結果、MCMV感染マウスでは非感染マウスに比較し、一部のミエロイド系細胞の割合の増加およびそのAllergin-1発現の変化を観察した。以上より、ミエロイド系細胞とそのAllergin-1発現がCMV感染症に対する免疫応答に関与することが示唆された。 今後は、マクロファージや樹状細胞などのミエロイド系細胞の役割に着目しながら、Allergin-1をはじめとする免疫受容体がウイルス感染症に対する免疫応答を制御する仕組みを解明していく。 3、意義 本研究の完成によって、CMV感染症病態の複雑な分子メカニズムの一端の解明に貢献できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Allergin-1遺伝子欠損マウスを用いた生存率の観察では著明な差が認められなかったが、MCMV感染によって一部のミエロイド系細胞の割合の増加およびAllergin-1発現の変化を観察した。このことから、ミエロイド系細胞上のAllergin-1がCMV感染症に対する免疫応答に関与することが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
CMV感染病態においてミエロイド系細胞が重要な機能を持つことを示唆するデータが得られている。今後は、マクロファージや樹状細胞などのミエロイド系細胞に着目しながら、Allergin-1をはじめとする免疫受容体によってウイルス感染症に対する免疫応答が制御される仕組みを解明していく。解析にはウイルス感染症モデルマウスおよび免疫受容体の遺伝子欠損マウスを用いる。
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Research Products
(1 results)