2013 Fiscal Year Annual Research Report
実験動物モデルを用いた牛AAアミロイドーシスの伝播機構の解析
Project/Area Number |
13J00674
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
村上 智亮 東京農工大学, 大学院農学研究院, 助教
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Keywords | 鶏AAアミロイドーシス / アミロイド線維 / 水平伝播 / ウシAAアミロイドーシス / リスザル / カニクイザル / 異種間伝播 / 食の安全 |
Research Abstract |
伝達性ニワトリAAアミロイドーシス発症モデルの確立 Salmonella enteritidisワクチンを接種したJulia-lite鶏に対し、鶏由来のアミロイド線維を経口もしくは静脈内投与することによりAAアミロイドーシスが誘発されることを確認し、鶏AAアミロイドーシスが伝達性の疾患であることを明らかにした。近年、動物園や農場において家禽のAAアミロイドーシス集団発生が深刻な問題となっており、その原因は不明であったが、今回の実験結果より個体間でのアミロイドの水平伝播が強く疑われることとなった(雑誌論文4および学会発表1)。 ウシAAアミロイドーシスのマウスおよび霊長類への伝達実験 食肉由来のアミロイドのヒトへの伝達リスクを検討する目的で、ウシAAアミロイドのリスザルおよびカニクイザルへの伝播実験を行った。リスザルおよびカニクイザルにそれぞれ炎症刺激として硝酸銀水溶液もしくはlipopolysaccharide (LPS)を投与し、ウシAAアミロイドを静脈内投与した。また、霊長類と齧歯類との種差を検討する目的で、C3H/HeNマウスにLPSを投与し、ウシAAアミロイドを腹腔内投与した。その結果、マウスにおいてはウシアミロイドの伝達が確認されたのに対して、リスザルおよびカニクイザルではアミロイドの伝達は確認されなかった。以上の結果より、AAアミロイドーシスの伝播では伝達性プリオン病と同様、種の壁が存在すること、また、マウスと比較して霊長類ではウシAAアミロイドの伝達性が著しく低いことが示された。このことから、食肉中の微量なアミロイドをヒトが摂取した場合のアミロイドーシス発症リスクは限りなく低いことが考えられた(現在投稿準備中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
C3H/HeNマウスを用いてAAアミロイドーシスの短期異種間伝播モデルを確立し、これを用いることで牛AAアミロイドーシスのマウスおよび霊長類への伝播性を比較することが可能となった。また、世界に先駆けて、鶏AAアミロイドーシスが同種間で経口伝播することを初めて明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(17 results)