2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13J00743
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉野 宏志 筑波大学, 人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アフロアジア語族 / 東クシ語 / フィールドワーク / 言語類型論 / 比較言語学 / 国際情報交換 / エチオピア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は昨年度から引き続きフィールドワークによる言語資料の収集と分析を進めた。研究計画に則り、エチオピア連邦民主共和国(以降、エチオピア)で2度のフィールドワークを行い、文献資料が著しく乏しい少数民族の言語であるアッレ語(アフロアジア語族クシ語派東クシ語群デュライ語群)の調査研究を実行した。 1回目の調査ではアッレ語における副動詞表現の調査を試みたが、調査地に到着後すぐマラリアに罹患してしまったことから、十分な調査を行うことはできなかった。ただし、エチオピアの首都にあるアジスアベバ大学の研究者との情報交換と協力体制の確認をすることができたのは収穫であった。 2回目の調査は、前回行う予定だった副動詞表現の調査に加えて、重文や複文の表現を調査した。この調査は滞りなく行うことができ、特に複文表現の分析がアッレ語の動詞組織の新たな解釈へとつながった。これによって先行研究における解釈の問題点を明確にした。 また、研究発表を通じて東クシ語の研究者だけでなく、言語類型論など理論言語学の研究者と意見交換を行うことができた。さらに、前述のアジスアベバ大学の研究者の中にはアッレ語を対象とする方がおり、帰国後も電子メール等を利用して情報交換を続けている。 研究成果の発表についても、本年度は学会等で口頭発表6件(内、国外学会1件、国際学会3件、英語発表4件)とポスター発表1件(ただし共同発表者として)を行い、またフィールドワークから獲得したデータを基にして論文発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エチオピアでのフィールドワークによるアッレ語の一次資料獲得は順調に進んでいる。その他の東クシ語に関しても資料収集およびアッレ語を含めた比較言語学的分析を行っている。また言語類型論をはじめとする理論的フレームワークを利用して分析が進んだ。特に移動表現の言語類型論的フレームワークを用いた分析によって、アッレ語の複雑な動詞文の理解が進み、他の東クシ諸言語との比較対照を始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に則り、今後は資料の分析と研究成果の発表に力を入れる。具体的にはアッレ語の動詞形態統語論をまとめ、東クシ語と比較対照し、東クシ祖語における動詞活用体系の再建を試みる。また国内外の学会に参加することで、関連する最新の研究についても引き続き調査を続けていく。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Motion expression patterns in African languages2015
Author(s)
Kawachi, K., Y. Abe, O. Hieda, K. Koga, J. Komori, N. Yoneda and H. Yoshino
Organizer
NINJAL International Symposium on Typology and Cognition in Motion Event Descriptions
Place of Presentation
National Institute for Japanese Language and Linguistics, Tokyo (Tachikawa)
Year and Date
2015-01-25
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