2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J00751
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
都留 俊太郎 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 台湾 / 日本史 / 農業史 / 環境史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究実施計画の通り、世界各地の糖業史の先行研究を消化するとともに、学会発表、国内・台湾での史料調査及びフィールドワークを行った。前年度の史料調査の成果をもとに日本農業史学会研究報告会で「植民地期台湾の製糖会社による甘蔗栽培技術改良」と題して報告を行った。同報告では、製糖会社による農民への技術普及がサトウキビ生産のみならず生活領域へ及ぼした影響について検討することにより、既に分厚い蓄積のある台湾糖業史研究を環境史・技術史の視角から更に深化させる構想を提示した。また、日本植民地研究会全国大会でも関連する報告を「台湾における甘蔗作の改良と管理される土壌」というテーマで行った。報告内容を踏まえた論文を、近日、学術雑誌に投稿する予定である。
また、台湾彰化県でのフィールドワークの成果及び国内外での史料調査を踏まえた中間報告を、「林本源製糖のサトウキビ作経営と二林蔗農事件」と題して環境史研究会で報告した。同報告は台湾史最大の農民反乱の発生原因を、技術改良の普及や農業機械の導入に着目して世界の砂糖市場飽和と台湾の一農村の環境変化を連関させることにより、グローバル/ローカルの双極から再解釈する試みであった。本内容を補足するために、その後、現地で再び史料調査を行った。翌年度においてさらに追加史料の収集を行う予定で、第3回東アジア環境史学会国際大会(EAEH2015)にて報告することが確定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究計画にしたがって史料調査やフィールドワークを行っており、研究の進展にしたがって学会報告も着実に重ねることができている。本年度に予定していた欧州での史料調査は、翌年度七月にパリでの報告(14th ICHSEA)が確定したため延期したが、その間に国内・台湾で史料調査を進めるだけでなく、欧米(及びその植民地)における砂糖生産・甘蔗栽培の技術発展に関する先行研究および資料収集を順調に遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、台湾の若手研究者と連携を深めながら研究を推進していきたいと考えている。
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Research Products
(5 results)