2013 Fiscal Year Annual Research Report
異質なエージェント群の相互作用によるパターン形成メカニズムの解析と設計
Project/Area Number |
13J00775
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
末岡 裕一郎 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マルチエージェント / パターン形成 / 自律分散 |
Research Abstract |
本研究では「異質なエージェント群の相互作用によるパターン形成」の制御原理(メカニズム)を捉え, 設計論へと応用することを目的としている. そのため, 本年度は以下の2つの現象に焦点を当てて研究を行った. 1. 自律分散ロボットによる物体凝集制御 2. シープドッグロボットによるヒツジの誘導制御 「1. 自律分散ロボットによる物体凝集制御」においては, すべての事象が六角格子のセルを用いた離散化した空間上で起こるものとし, 自律ロボットの衝突, 回避行動のみを残した離散モデルを提案した. 離散モデルとして, Sense & Avoidロボット, およびPush & Turnロボットを導入し, 物体凝集を評価する指標(可動指数, 輪郭長など)を導入することで, 異質なエージェント群(ロボット, 物体)の充填率が与える影響の解析を行った. さらに, 物体凝集を実現するPush & Turnロボットと, 物体拡散を実現するPull & Turnロボットという異なる規則を有するロボットを用いることで障害物の凝集程度を制御可能であることを示した. 「2. シープドッグロボットによるヒツジの誘導制御」においても, 離散モデルを用いてヒツジの群れの中心をターゲットとする中心追跡制御, 群れを95%等確率偏差楕円と捉える接線追跡制御を用いて解析を行った. 中心追跡制御を用いたヒツジの誘導は群れの中心のヒツジをターゲットするため, ヒツジの凝集力の変化に弱いこと, その一方で接線追跡制御手法は群れの外側にいるヒツジをターゲットとするため, ヒツジの凝集力に広く対応できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自律分散システムを抜本的に捉え直し, すべての事象が六角格子のセルを用いた離散化した空間上で起こるものと考えることで, マルチエージェントシステムの制御構造の本質をある程度抽出することができた. さらの抽出した制御原理を生かしたロボットを実際に製作し, 実験を通じて検証も行うことができた. このことから, 離散空間によるアプローチ方法の有効性が言える.
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Strategy for Future Research Activity |
異質なエージェント群によるパターン形成に関して, 離散モデルを導入することで解析をかなり進めることができている. 今後は, 「制御」という立場からシステムを考えることで, 「1. 自律分散ロボットによる物体凝集」におけるクラスタ数などのフィードバック制御, 「2. シープドッグロボットによるヒツジの誘導制御」においては, 動的に変化するヒツジの群れの数に対応できるロボット, およびロボットを二台以上に増やし協調してヒッジの群れを誘導する制御手法について考えていく. これらの具体例を通じて異質なエージェント群の制御構造における共通性を見いだすと同時に, 設計論への応用を行っていく.
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Research Products
(16 results)