2014 Fiscal Year Annual Research Report
物体ベースの注意拡散時における注意資源配分の電気生理学的検討
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13J00809
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
竹谷 隆司 北海道大学, 教育学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 空間的注意 / 事象関連電位 / 知覚的体制化 / 物体ベースの注意 / 視覚誘発電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主な課題は,視覚的体制化による空間的注意の自動的な制御過程を,脳の活性化を極めて高い時間分解能で検討できる事象関連電位(ERP)を用いて検討することであった。研究実績の1つ目として,複数の群化要因による空間的注意への作用に関わる論文が掲載された。物体の一部に向けた注意は,それに属する空間や特徴に自動的に拡散することが知られている。このことが知覚的表象に基づく注意選択を実現すると考えられている。本研究は連結性と大きさ類似性を直行操作した刺激間でERPの注意拡散効果を比較した。結果として,連結性と大きさ類似性が独立に注意拡散効果を生じさせ,複数の群化要因が独立に注意を誘導する過程が存在することが示された。次に,物体の奥行手がかりの役割を検討し,国際学会で発表した。物体は通常,図地分離により図として解釈された領域である。本研究では,これまでのERP研究と比べより曖昧性が少なく図地分離がされると想定される刺激において,物体ベースの注意拡散を検討した。結果として,これまでよりも早いERP成分において物体に基づく空間選択が生じることが示され,図地分離は物体選択が生じる処理段階を決定する要因として機能することが示唆される。最後に,知覚的体制化に対する注意の影響も調べた研究が論文に掲載された。これまで初期の知覚的体制化処理を反映するERPのIC効果(illusory contour effect)は注意の影響を受けないことから,感性的補完処理が自動的であると考えられてきたが,認知的負荷の影響は検討されてこなかった。そこで本研究は難易度の異なる計算課題中のIC効果を比較した。結果として,難易度が低い場合のみ,右後頭で典型的なIC効果が示された。このことは,感性的補完処理は必ずしも自動的とはいえないことが示された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)