2014 Fiscal Year Annual Research Report
高度生体材料創製のためのフェムト秒レーザー照射による表面構造制御に関する研究
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13J00842
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠永 東吾 大阪大学, 接合科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フェムト秒レーザー / 周期的微細構造 / エアロゾルビーム / 酸化チタン膜 / 純チタン / チタン合金 / 細胞試験 / 生体適合性 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度で酸化チタン(TiO2)膜への周期的微細構造形成が可能であることや、骨芽細胞が周期的微構造の溝に沿って伸展する結果が得られた。今年度は形状変化だけではなく、材料特性の変化にも着目した。TiO2は真空雰囲気下で電気炉加熱を行うと酸素欠陥が生じることが知られている。レーザー照射により周期的微細構造を形成した酸化チタンに対して真空雰囲気下で電気炉を用いた全体加熱を行ったところ、周期的微細構造の形状は維持されていた。骨芽細胞を用いて培養試験を行った結果、細胞が溝に沿って伸展する結果が示唆された。 また、更なる高度生体材料の創製を目指し、細胞伸展に最適な周期について検討した。周期はレーザーの波長の変化によって制御を試みた。さらに、周期的微細構造形成メカニズムについても検討した。申請者らのグループでは、TiO2膜に対してフェムト秒レーザーを照射すると、多光子プロセス等による電子励起が生じる可能性を示唆している。すなわち、レーザー照射によりTiO2膜の表層への高密度電子励起層の形成が予測され、高密度電子励起層及び膜との界面へ表面プラズモン・ポラリトン(SPP)が形成される可能性が考えられる。SPPの波長が周期に起因すると考える本モデルをSPPモデルと呼ぶとする。波長775 nmの第二高調波である388 nmをTiO2膜上に照射すると周期的微細構造が形成され、TiO2膜上における周期はレーザー波長の30%程度であることが明らかになった。得られた周期の実測値は、SPPモデルによって計算される周期の範囲内であった。すなわち、TiO2膜への周期的微細構造形成は、SPPモデルによって形成される可能性が示唆された。以上のTiO2膜に対する周期的微細構造形成メカニズムに関する成果は、英文の論文(査読有り)において成果をまとめている。国内外の会議においても多数の成果を報告している。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(28 results)