2014 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロスピニング法を用いた傾斜機能性材料の開発と再生医療への応用
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13J00887
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森山 真樹 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高分子ナノ粒子 / 活性酸素種 / 抗酸化物質 / 血管新生 / ハイブリッド材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにナノファイバーより形成される不織布が細胞足場材料に適していることが報告されている。さらに細胞への機能性を付加することで医療応用が期待される。本研究では医用デバイスへの応用を見据えた新規バイオマテリアルの開発を目的とし、ナノファイバーに付加する機能性ナノ粒子の開発を目標とした。近年、活性酸素種(ROS)が血管新生のシグナル伝達物質として密接に関与することが明らかとなった。このため、ROS消去能をもつ低分子薬物(抗酸化物質)による血管新生制御が注目を集めている。しかしながら、これらの薬物は溶液中で容易に酸化されるため、充分な効果が得られないのが現状である。そこでカテキンなどの植物由来の抗酸化物質によく見られるカテコール構造に注目し、カテコールをコアに有する抗酸化ミセルを調製した。これはミセルなどの高分子ナノ粒子を薬物キャリアとして用いることにより、薬物の安定化が期待されるためである。実際、この抗酸化ミセル内部のカテコールはポリエチレングリコールよりなる高分子鎖で覆われることにより酸化されにくくなり、長期における酸化安定性が得られることが明らかになった。抗酸化ミセルは細胞内ROSを効率よく除去することで、血管内皮細胞の血管模様構造の形成を阻害した。さらに鶏卵を用いた生体環境に近い条件においても血管新生を抑制した。このことから抗酸化ミセルは細胞内ROSを除去することで血管新生を抑制可能であると考えられる。この抗酸化ミセルとナノファイバーを組み合わせたハイブリッド材料を開発することで、血管成長を制御できるバイオマテリアルの創生が可能であると考えられる。また、ROSは血管新生以外の様々な細胞シグナリングに関与していることから、さらなる機能性材料への応用が期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] カテコール内包ミセルによる血管新生の抑制2014
Author(s)
森山真樹, Stephanie Metzger, Martin Ehrbar, Andre J. van der Vlies, 宇山浩, 長谷川麗
Organizer
第63回高分子討論会
Place of Presentation
長崎
Year and Date
2014-09-24 – 2014-09-26
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[Presentation] 血管新生抑制を目的としたカテコール内包ミセルの調製2014
Author(s)
森山真樹, Stephanie Metzger, Martin Ehrbar, Andre J. van der Vlies, 宇山浩, 長谷川麗
Organizer
日本バイオマテリアル学会第9回関西若手研究発表会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2014-08-05 – 2014-08-05
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[Presentation] 血管新生阻害能を有する抗酸化ミセルの調製2014
Author(s)
森山真樹, Stephanie Metzger, Martin Ehrbar, 望月衛子, Andre J. van der Vlies, 宇山浩, 長谷川麗
Organizer
第63回高分子学会年次会
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
2014-05-28 – 2014-05-30