2014 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の園生活における場のあいまい性の意味に関する研究
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13J00970
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
境 愛一郎 広島大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | あいまいな場所 / 保育・幼児教育 / テラス / ベランダ / 保育環境 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、幼稚園や保育所に存在するあいまいな場所、とりわけ屋内と屋外の間に存在するテラスやベランダ等に着目し、そうした場所が子どもの生活に対して有する意味を明らかにすること、特徴の異なる保育施設間でのそれらの共通性や多様性を捉えることである。 研究では、施設の特徴がそれぞれ異なるA保育所、B幼稚園、C保育所における観察を実施した。観察は約1年間行い、3施設で合計185の子どもがあいまいな場所を使用した際のエピソードを収集した。これらに、課題申請以前に観察を終了していたX幼稚園の80エピソードを加えた。エピソードの分析には、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチの「概念」および「カテゴリー」生成の手順(木下、2003)を用いた。 分析により、4施設のあいまいな場所の用途は、8機能(「カテゴリー」)に整理され、さらに【生活・活動のジャンクション】、【つかず離れずの関係性】、【柔軟な生活・活動場所】、【生活・活動の周縁】という4特質(「コア・カテゴリー))に集約された。以上より、4施設のあいまいな場所は、多かれ少なかれ8つの機能に関連する用い方がなされており、共通して4つの特質を有することがわかった。これら4つの特性は個別に存在するのではなく、複合的に作用することで、1つの場所で多様な機能や用途を成立させていると考えられる。 加えて、各施設の状況に応じてあいまいな場所の意味が多様化するプロセスの検討を行った。その結果、あいまいな場所の意味は、子どもがその施設で生活・活動を展開する上で直面する空間的・時間的な制限などと関連して発生すること、施設間での制限の差異が、場所の意味の多様化をもたらすことがわかった。あいまいな場所は、保育室や園庭からあふれた子どもや保育室や園庭だけでは満ち足りない子どもの要求に順応し、生活上の制限や問題の克服を援助する役割を担うことが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)