2015 Fiscal Year Annual Research Report
化合物レベルの同位体分析を用いた河川食物網の高精度解析
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13J01021
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
石川 尚人 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 生物地球化学研究分野, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2016-03-31
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Keywords | アミノ酸 / コラーゲン / 窒素安定同位体比 / 放射性炭素 / 生物群集 / 栄養段階 / 種多様性 / 生態系機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.アミノ酸の放射性炭素14分析手法の開発:魚類の筋肉コラーゲンからグルタミン酸、フェニルアラニンなどの主要アミノ酸を取り出し、その放射性炭素濃度(Δ14C)を測定した。イラコアナゴ(Synaphobranchus kaupii)のメチオニン、フェニルアラニンといった、環状構造やイオウを含むアミノ酸は、他のアミノ酸よりも低いΔ14C値を示した。この結果は、生物(動物)が複雑な化合物を餌から摂取するだけでなく環境中からも取り出し、体内で何度もリサイクルして使っている可能性を示している。
2.メチオニンの窒素同位体指標の開発:陸域と水域の一次生産者の間の挙動が同じと考えられるメチオニンの窒素同位体指標を提案した。河川の水生昆虫を対象とし、陸域の一次消費者、水域の一次消費者、およびこれらを食べる捕食者のメチオニン窒素同位体比を測定したところ、メチオニンの窒素同位体比を用いれば、食性に対応した栄養段階の推定値を得られることが分かった。
3.生物群集全体のアミノ酸栄養段階の解明:新たな食物網構造指標として、生物群集全体の栄養段階(integrated Trophic Position: iTP)を提案した。iTPは群集中の全生物の栄養段階を個々のバイオマスによって加重平均した値である。iTPは、単位面積当たりの全生物のグルタミン酸とフェニルアラニンの窒素同位体比から、簡便に推定することができる。iTPから推定される河川食物網全体のグルタミン酸の転送効率は、実験結果により得られた平均値よりも同等か高く、変動幅もより大きかった。さらにiTPは群集中の種多様性と強い負の相関を示した。この結果から、食物網構造の決定要因という、生態学の大きな課題に対してひとつの答えを提案できる有力な証拠が得られた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Terrestrial-aquatic linkage in stream food webs along a forest chronosequence: multi-isotopic evidence2016
Author(s)
Ishikawa NF, Togashi H, Kato Y, Yoshimura M, Kohmatsu Y, Yoshimizu C, Ogawa NO, Ohte N, Tokuchi N, Ohkouchi N, Tayasu I
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Journal Title
Ecology
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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