2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規HCV/GBV-Bキメラウイルスによる革新的C型肝炎霊長類モデルの構築
Project/Area Number |
13J01032
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 紗織 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | C型肝炎 / 新世界ザル / GBV-B / 動物モデル / ワクチン / NK細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
C 型肝炎のワクチン開発に必要な安全性・有効性評価や C 型肝炎の病態解析には大きな障害が存在する。その障害の一つとして適切な感染モデルがないことが挙げられる。本研究ではこのブレイクスルーを目標として、C型肝炎ウイルス(HCV)と新世界ザルに肝炎を引き起こすGBウイルスB(GBV-B)に着目し新世界ザル指向性 HCV/GBV-B キメラウイルスの構築を目指した。 昨年度に作製したGBV-B/HCVキメラウイルスがマーモセットに感染はしたものの持続感染は示さなかったことから、持続感染へのメカニズムをGBV-B感染サルを用いて解析した。すると急性感染後にウイルスが排除される場合は、NK細胞のうち細胞障害活性マーカー(CD335、CD159a)を表出しているNK細胞(CD3-CD56dimCD16+)の割合がウイルスの動態に少し遅れて平行に増減していることがわかった。一方で慢性感染を起こしたGBV-B感染タマリンの慢性期を解析すると、GBV-B非感染サルと同程度の低い割合を示していた。このことから、GBV-B感染において急性期後にクリアランスされるにはNK細胞の細胞障害活性が重要であることが示唆された。さらに液性免疫の視点から解析すると、慢性感染個体では血漿中の抗core、E2、NS3抗体価の誘導の遅延および低い抗体価が検出された。E2に関しては中和抗体のターゲットになるため、抗E2抗体に中和活性がある可能性が考えられる。 以上の結果から、持続感染にはNK細胞の細胞傷害活性と抗体誘導が重要な因子であることが示唆された。今後は、昨年度までに確立したCD8 depletionの方法を用いて、細胞傷害活性を弱めたサルにキメラウイルスを接種し、より効率よくウイルスが増殖できるモデルに改良したい。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)