2013 Fiscal Year Annual Research Report
境界型糖尿病の糖尿病性腎症発症リスクの解明と発症予防対策の検討
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13J01053
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辰巳 友佳子 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 境界型糖尿病 / 慢性腎臓病 |
Research Abstract |
(1)研究成果の要約 研究目的 境界型糖尿病者において、慢性腎臓病に当てはまる者の割合が正常者と比較して多いのかを検討した。 研究方法 研究対象者はJA長野厚生連佐久総合病院の2日人間ドックを受診した30-79歳の地域住民8162名。75g経口ブドウ糖負荷試験より、対象者を糖尿病型5群[1. 正常、2. Impaired glucose tolerance (IGT)、3. Impaired fasting glucose (IFG)、4. IGT+IFG、5. 糖尿病]に分類した。慢性腎臓病を推定糸球体濾過量<60mL/min/1.73m^2 and/or尿蛋白1+以上と定義した。 結果 1~5群において、慢性腎臓病を呈した者の割合はそれぞれ14.0 (3.2)%、16.3 (4,5)%、17.2 (5.2)%、17.6 (7.6)%、19.2 (6.7)%であった(括弧内は尿蛋白1+以上の割合を示す)。慢性腎臓病に対する多変量調整後のオッズ比(95%信頼区間)は、IGT : 0.86 (0.71-1.03)、IFG : 0.98 (0.76-1.28)、IGT+IFG : 0.90 (0.67-1.20)、糖尿病 : 0.93 (0.70-1.25)であった。尿蛋白1+以上のみを従属変数にした場合、オッズ比はIGT : 1.28 (0.92-1.78)、IFG : 1.36 (0.87-2.12)、IGT+IFG : 1.91 (1.25-2.93)、糖尿病 : 1.63 (1.02-2.60)であり、IGT+IFG群において有意に尿蛋白を呈する者が多かった。 (2)研究結果の意義 2型糖尿病性腎症の臨床経過は糸球体濾過量が低下する前に尿蛋白が出現すると言われていることから、境界型糖尿病でより早期の腎症が存在すし、この時点での腎機能評価が必要である可能性があることが本研究の結果より示された。これは糖尿病性腎症発症の予防的対策を講じる上での重要な知見であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した通り、研究データのデータベース化作業を終え、研究目的に沿った解析を行い、国内学会にて成果発表を行っている。H25年度の検討課題の成果発表に対応する論文も執筆しており、投稿間近のため、研究はおおむね順調に進展していると自己評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書通りに研究を推進しているため、平成25年に発表した研究成果に対応する論文を国際雑誌に投稿する。 さらに、平成26年度の検討課題として挙げている、境界型糖尿病と糖尿病性腎症への生活習慣の影響について解析検討し、国内もしくは国外の学会にて成果発表を行い、論文を執筆する。 加えて、研究の対象集団に対して研究成果を還元するために、研究成果を報告する冊子を作成し、対象病院に掲示するか、もしくは対象集団に配布する。
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Research Products
(2 results)