2013 Fiscal Year Annual Research Report
新奇ファラデー波の数値研究を通じた流体力学の新展開
Project/Area Number |
13J01056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高木 健太郎 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ファラデー波 |
Research Abstract |
■目標・目的 本研究では、数値シミュレーションによる垂直加振下における流体界面の複雑なパターンの再現と解明を目標としている。昨年度は、近年報告されている新奇ファラデー波の中でも、Oscillonに対象を絞って、数値計算による再現とメカニズムの解明に取り組んだ。 ■問題 数値計算による再現の際に、問題となったのは以下の2点である。 ―最適な界面モデルが不明だったこと ―複雑なファラデー波の数値計算による再現には長時間を要すること ■アプローチ・結果 ファラデー波では、表面張力と加振による外力のバランスが支配的であると考えられているので、その特徴とそれぞれの解析手法の長所、短所を照らし合わせ、界面モデルを選択した。具体的には、表面張力を任意精度で評価できるLevel-Set法を採用した。このモデルの妥当性を確認するために、線形理論との比較を行ない、定量的な一致を得た。さらに、非線形領域における妥当性の確認のために、単純な四角形や六角形パターンの数値計算による再現と、実験結果を比較し、定量的な一致を得た。 計算時間を短縮するために、ボトルネックとなっていた大規模連立方程式のソルバーを変更した。具体的には、ライブラリを用いていたが、現在の系に特化し、最適化したアルゴリズムを用いた自作の物に変更した。 その結果、計算時間を1/3~1/5倍に短縮した。これにより、複雑なパターンのシミュレーションが現実的な時間で行うことが可能となった。 Oscillonが観測されている実験では、Oscillon以外にも、新奇ファラデー波として挙げられるRhomboidパターンや多重格子パターンが観測されている。本研究では、前述したシミュレーションプログラムを用いて、この実験の再現を試み、新奇ファラデー波のひとつであるRhomboidパターンの再現に初めて成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おおむね順調に進んでいるが、以下の3つの当初予定になかった問題解決のため若干遅れている。 (1)当初予定に無かった数値計算プログラムの高速化を行なったため (2)始めは数値計算結果と実験結果が大きく異なっており、その原因がlevel set法であることを特定するのに時間が掛かったため (3)そのlevel set法の改良を行なったため
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Strategy for Future Research Activity |
再現に成功したRhomboidパターンの解析に取り組むと共に、再現を試みている実験で報告された他の複雑なパターンの再現に試みる。また、蛇状構造の再現に向けた数値シミュレーションプログラムの開発に取り組む。
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Research Products
(3 results)