2013 Fiscal Year Annual Research Report
Hippoシグナル経路による細胞間コミュニケーションの解析
Project/Area Number |
13J01059
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
加村 啓一郎 熊本大学, 発生医学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | Hippoシグナル / 細胞間コミュニケーション / 発生 |
Research Abstract |
本研究では、Hippoシグナル経路を改変した細胞を、マウス胚においてモザイク状に発現させ、隣接する野生型細胞との間でおこる動的なふるまいの変化(増殖、細胞死、形態変化など)を観察する。これにより、組織形成におけるHippoシグナルの役割を明らかにし、胚発生における協調的な組織形成のメカニズム解明を目指す。 今年度は、モザイク胚において、細胞競合が生じるメカニズムを明らかにすること、に取り組んできた。具体的には、まず、薬剤(タモキシフェン)誘導型のCre/loxPシステムを利用し、導入遺伝子の発現細胞をモザイク状にもつ胚(モザイク胚)の作製を可能にした。導入遺伝子として、Rosa26遺伝子座から、Tead活性化型もしくはTead不活性化型をGFPと共に発現誘導し、さらに、正常細胞の指標とするため、同じ遺伝子座から核移行型皿Cherryを発現誘導した。実際には、これらのマウス胚を培養下で薬剤誘導して、モザイク胚を作製し、共焦点顕微鏡を用いて24時間程度のタイムラプス・ライブイメージングをおこなった。 その結果、Tead活性化型、不活性化型共に、発現してくる細胞数は正常細胞に比べて明らかに減少していた。また、予備的な結果ではあるが、Tead活性化型、不活性化型共に、GFP発現細胞が胚表層から飛び出てくるようなサンプルが複数得られており、apicalからの放出による生細胞の排除が推測された。これらの結果をもとに、今後は、空間的・時間的により分解能の高い観察を実施し、排除の仕組みの理解へとつなげていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス胚における細胞競合のライブイメージングの系が確立されつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、空間的・時間的により分解能の高い観察を実施し、排除の仕組みの理解へとつなげていく予定である。
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Research Products
(3 results)