2013 Fiscal Year Annual Research Report
固体NMRを用いたβ2ミクログロブリンのアミロイド線維構造解析
Project/Area Number |
13J01079
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宗 正智 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員
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Keywords | アミロイド線維 / 固体NMR / 構造解析 / β2ミクログロブリン |
Research Abstract |
固体NMRによる蛋白質の構造解析において距離情報を正確に得るためには高感度・高分解能なスペクトルが必要であり、且つそこから得られた情報を正しく解析する必要がある。アミロイド線維の固体NMRスペクトルは、線維が高分子量複合体であることや不均一であることから、信号の分散が悪い。特にβ2ミクログロブリン(β2m)はアミノ酸残基数も多く信号帰属が非常に困難であり、未だ、すべてのアミノ酸残基に対する信号帰属の報告はない。そこで、本研究では信号の重なりを緩和させるためにNMRで検出可能な同位体ラベルを部位特異的に減らしたリバースラベル蛋白質を用いた方法やコンピューターを用いた帰属計算、より確実な分子間距離情報が得られる手法やなどを用いて構造解析をおこなっている。 本年度はリバースラベルβ2m線維のNMR測定をおこない、信号帰属を進めた。また、コンピューター計算を用いることで分解の悪いスペクトルの信号帰属を容易にしようとした。スペクトルシミュレーション法の一つであるRESPLS法は複雑に信号が重なり合ったスペクトルの信号帰属が可能である。この方法によりすべてのアミノ酸残基の信号帰属をおこなった。さらに、この方法を用いて得た化学シフト値と、結晶構造から見積もったモノマー構造の化学シフト予測値の比較をおこなった。また、スペクトルフィッティングで得られた化学シフト値をもとに二次構造予測もおこなった。 以上の信号帰属に加え、立体構造計算をする上で重要となる分子間距離情報を得るための測定もおこなった。分子内距離情報と分けて取得するための方法に分子間NHHC測定があるが、より確実に分子間のみの情報を得るために本研究では13C同位体ラベルβ2mと2H、15N同位体ラベルβ2mの混合線維を用いた。今年度はこれら2種の蛋白質の発現と精製をおこない、それらの混合線維を作製しNMR測定をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標であったリバースラベル蛋白質のNMR測定と分子間NHHCに必要なラベル蛋白質の発現・精製とそれを用いたNMR測定を計画通りおこなった。そして、コンピューターシミュレーションによる帰属も進め、2次構造予測までおこなった。スペクトルの線幅を細くし、より正確な帰属をするための蛋白質の発現・精製をおこなった。さらに、立体構造計算に必要な長距離にある原子間の相関スペクトルの測定もおこなった。これらの成果は当初の計画とほぼ同程度の進み具合である。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点のスペクルでは手動信号帰属が非常に困難であるため、コンユーターによる帰属を評価でない。今後は信号の重なりを減らしより多くの情報を得るために、グリセロールを用いた蛋白質のNMR測定をおこない手動の信号帰属を進めるとともにコンピューターを用いた信号帰属の精度を上げる。信頼度の高い信号帰属の後、立体構造計算をおこない構造モデルを構築する。
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Research Products
(5 results)