2014 Fiscal Year Annual Research Report
性的対立による形質進化がもたらす繁殖干渉の非対称性
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13J01115
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
京極 大助 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 性的対立 / 性選択 / 種間交尾 / 繁殖干渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
アズキゾウムシのオスは種間交尾を介してヨツモンマメゾウムシの産卵数を低下させる。しかし種間交尾が実際にどのように産卵数に影響するのかは不明であった。種間交尾によって雑種ができないことから、射精物の生理活性と生殖器の物理的損傷が産卵数低下の原因として考えられたが、前年度までの実験から射精物の効果は無視できることが分かっている。アズキゾウムシのオス交尾器には棘があり、この棘がヨツモンマメゾウムシのメス生殖器を傷つけることで産卵数低下を引き起こしている可能性が考えられた。そこで交尾器形態のさまざまに異なるアズキゾウムシのオスを用いることで交尾器形態がヨツモンマメゾウムシの産卵数に与える影響を調べた。この実験は前年度までに行っていたので、今年度は実験結果の詳細に解析を行った。その結果以下の事が明らかとなった。(i)より発達した交尾器の棘を有するアズキゾウムシのオスほど、種間交尾を介してヨツモンマメゾウムシのメス生殖器を傷つけやすかった。また(ii)種間交尾による生殖器の物理的損傷は、ヨツモンマメゾウムシの産卵数を低下させた。先行研究から、アズキゾウムシを含むマメゾウムシ類のオス交尾器は、性選択の一種である種内でのオス同士の受精をめぐる競争(精子競争)により発達してきたと考えられている。したがって本研究の結果は、種内での性選択の結果発達してきたオスの加害形質が種間相互作用にも影響しうることを示している。本研究はオスの加害形質が種間相互作用に影響しうることを示した点で高い新規性を有する。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)