2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J01221
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
浮田 卓也 東京工業大学, 大学院理工学研究科(理学系), 特別研究員(DC1)
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Keywords | Stein曲面 / Lefschetz fibration / 写像類群 / 微分構造 / cork / plug / Kirby図式 / 4次元多様体 |
Research Abstract |
本研究は、Stein曲面のエキゾチック微分構造と写像類群の関係をPALFを用いて明らかにすることを目的としている。 平成25年度には、「与えられたStein曲面からファイバーの種数が小さなPALFの構造を得る新しい方法を構成し、その構成法を用いてStein構造を写像類群の言葉で書けるようにする事」を目的にして、Stein曲面の具体例から、ファイバーの種数の小さなPALF構造をKirby計算により構成した。具体的には、Akbulut-Yasui plugと、Akbulut-Yasui corkに対して、ファイバーの種数が0のPALF構造を新しい方法で構成した。また、Stein構造を許容し、cork twistによって移りあうエキゾチックな4次元多様体の対に対して、ファイバーの種数が2のPALF構造を新しい方法で構成した。この方法で作成されたPALF構造は、従来の構成方法で作られたPALF構造に比べ、大幅にファイバーの種数が小さい。その結果、対応する写像類群の元も単純な形で書くことができた。従来の方法では、Stein曲面のLegendrianlink diagram in standard formからPALF構造を構成するため、構成されたPALFが複雑になってしまい、PALFのファイバーの種数も大きくなってしまう。そのため、対応する写像類群の元も複雑になってしまい、扱いづらくなってしまう。それに対して本研究の構成方法では、Stein構造を許容する4次元多様体に対して、そのKirby図式をKirby計算によって変形することでPALF構造を構成するため、PALF構造作成の際の自由度が高く、ファイバーの種数を減らすための操作を行うことが可能となり、対応する写像類群の元も扱いやすいものとなる。そのため、今年度の研究をさらに進めることで、Stein曲面からファイバーの種数の小さなPALF構造を得る一般的な方法を導出することができれば、多くの研究者にStein曲面と写像類群の関係を認識するきっかけを与えることができ、2つの分野の発展につながる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「与えられたStein曲面からファイバーの種数が小さなPALFの構造を得る新しい方法を構成する」という研究内容に対して、Akbulut-Yasui plug と、Akbulut-yasui cork, またStein構造を許容するエキゾチックな4次元多様体の対に対してファイバーの種数がそれぞれ0と2のPALF構造を新しい方法で構成できたため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策については、平成25年度に行った具体例の研究を踏まえ、Stein曲面からファイバーの種数の小さなPALF構造を得る一般的な方法を導出する。一般のStein曲面のKirby図式をいくつかのパターンに分けて、平成25年度に得た具体例との類似点を考える方法をとる。その後、Stein構造を保ちながらPALF構造を作ることができるかを調べていく。また、既存のPALF構造の構成法の改善も試みる。
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Research Products
(6 results)