2014 Fiscal Year Annual Research Report
放射線によるゲノムDNA二重鎖切断の定量的解析技術の開発と数理モデルの構築
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13J01270
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下林 俊典 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 相分離 / DNA / リポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度から引き続き行っていた細胞サイズ脂質二重膜小胞にDNAを内包する新規な手法に関する実験を行い、学術論文として纏め上げ、それらの結果は国際学術雑誌 (Journal of Phys. Chem. B, 118(36), 10688-10694 (2014))に掲載された。その後、脂質二重膜小胞形成過程において交流電場をかけるエレクトロフォーメーション法と組み合わせる実験を行った。その結果、高分子を内包したリポソームのサイズを制御できる事が明らかとなった。更には、筑波の高エネルギー加速器研究機構KEKにおいて、x線小角散乱装置を用いて、脂質二重膜小胞形成過程における膜間距離の測定を行った。その結果、DNAと対イオンが膜の形成を促進することが明らかになり、ドープされたDNAと対イオンに起因する浸透圧が膜のunbindingを促進することが示唆された。これらの結果は、現在学術論文への投稿の準備段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトを遂行するにあたって必要となる高分子を細胞サイズリポソームに内包する手法の開発と改良を行い、その成果の一部を学術論文として纏め上げることができた。よっておおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
高分子を内包した細胞サイズリポソームの温度や浸透圧といった外的刺激に対する応答を明らかにし、高分子内包リポソームの物性を明らかにする。そして、放射線実験を行い、人工膜モデルでのDNA切断確率を明らかにする。
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Research Products
(7 results)