2015 Fiscal Year Annual Research Report
放射線によるゲノムDNA二重鎖切断の定量的解析技術の開発と数理モデルの構築
Project/Area Number |
13J01270
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下林 俊典 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 相分離 / DNA / リポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の二つに関して研究を進めた。
(1) 細胞サイズの脂質二重膜小胞にDNAを内包する新規な手法に関する実験を昨年度に引き続き行った。2014年度に国際学術論文として発表した蛍光顕微鏡観察に加えて、ナノスケールでのメカニズムを明らかにする為、X線小角散乱実験を昨年度に引き続き行った。結果、脂質膜の水和ダイナミクスが、乾燥脂質膜に添加されたDNAとイオンによって促進されることが明らかとなった。これらの成果は現在学術論文として纏めており、近々投稿予定である。
(2) 研究遂行過程において発見した脂質二重膜小胞における相分離転移現象の研究を発展させた。マクロ相分離状態からミクロ相分離状態への相分離構造の転移ダイナミクスを実験的に明らかにし、数値計算においてもおよそこの転移現象を確認した。これらの転移現象は、二重膜において脂質組成が非対称である事に起因する自発曲率によって駆動されることが示唆された。更に上記の結果から期待した通りに、脂質組成が非対称になるほどドメインサイズが小さくなることを実験的に明らかにした。これは多成分脂質二重膜における相分離ドメインのサイズが脂質組成が非対称である事に起因する自発曲率によって制御されることを強く示唆している。以上の成果は、生体膜と再構成膜におけるラフトと呼ばれるドメインのサイズ不一致問題を解決する上での重要な知見といえる。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(9 results)