2013 Fiscal Year Annual Research Report
指数定理を用いたスカラー曲率やその周辺に関する多様体上の解析についての研究
Project/Area Number |
13J01329
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福本 佳泰 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 微分幾何学 / リーマン計量 / スカラー曲率 / 指数定理 / K-area |
Research Abstract |
K-areaのSurgely不変性について 以下の結果を得た. 「K-areaが有限である多様体に余次元が2でないSurgeryを施したとき, 新しく得られた多様体もK-areaが有限である.」また, 余次元が2の場合は, 2次元球面S_n「のK-areaが有限で2次元トーラスT_nのK-areaが無限であることから反例が得られる. これは, Gromov-Lawsonによる以下の定理のK-area版と言える. 「スカラー曲率が一様に正の計量を持つ次元が3以上の閉多様体に, 余次元が3以上の手術を施してできた多様体も, スカラー曲率が一様に正の計量を持つ」 K-areaとSymplectic幾何学との関連について. K-areaはRiemann多様体に対して, Symplectic CapacityはSymplectic多様体に対して定まる量であるが, それらには類似性があると考え, 関連性について調べた, 具体的には, 以下の3つの類似性がある. 計量やSymplectic 2-formを定数倍するとK-areaとSymplectic Capacityはともに同じ定数倍になること. 開埋め込みに対して単調非現象であること. B^n (r)うとB^2 (r)×R^<n-2>に対する値が, Capacityの場合は完全に一致, K-areaの場合は定数倍を除いて一致すること. ただし, B^n (r)は半径がrのn次元球体である. Symplectic幾何学では以下のような定理がある. 「任意の領域に対してSymplectic Capacityを保つ写像のC^0極限は, それが微分可能ならSympecticであるかAnti Symplecticである」これのCapacityをK-areaに置き換えたような, 以下の主張を示すことができた. 「4以上の偶数次元の任意の領域に対してK-areaを保つ写像のC^0極限は, それが微分可能なら等長変換である.」ただし次元が2の場合は, 領域のK-areaはその面積の定数倍に等しくなるため, 反例が挙がることが分かる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
手術によってK-areaの有限性が不変であることを示せてはいるものの, 無限次元束を許したK-areaと, 通常の意味のK-areaの関連性に結論を出すことができていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
Gromovが導入した元々のK-areaは, 通常のHermiteベクトル束を対象にしているが, Hanke-Schickは, 一般のHilbert A-module束を許したK-areaを扱っている. これらの有限性・無限性が一致することを示したい, ベクトル束Eが平坦なベクトル束C^Nに埋め込まれているとき, その曲率はEへの射影の微分で書けることが分かっているが, それを一般化し, Fredholm作用素の族の評価と曲率の評価を結び付ける. 一方, K-areaを保つ写像について得られた結果については, よりスカラー曲率と関連のある形で発展させたい。
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