2013 Fiscal Year Annual Research Report
双曲 3 次元多様体の指標多様体とそのゼータ関数の研究
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13J01342
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 新也 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ゼータ関数 / トーラス結び目 / 指標多様体 / A多項式 |
Research Abstract |
今年度は受入研究者の寺嶋郁二氏と共同でトーラス結び目補空間のA多項式のハッセ・ヴェイユゼータ関数についての研究を行った。これは本研究課題の研究内容の前段階にあたる研究とみなすことが出来る。トーラス結び目は最も基本的な結び目のクラスであり、その性質はよく研究されている。またトーラス結び目は二つの互いに素な自然数の組に対して定まる無限個の結び目のクラスであるが、様々な結び目不変量についてその一般形が知られており、本研究課題の研究対象であるゼータ関数についてその一般形を求めることが他の場合に比べ容易であることが予想された。 今年度の研究ではトーラス結び目補空間のSL2指標多様体に付随するA多項式について、そのゼータ関数を本質的に書き下すことに成功した。正確には、有限個の素数pに対するp^(-S)の有理関数の積を除いてゼータ関数を明示的に求めることが出来た。それは有限個の円分体のデデキントゼータ関数の積であることが分かった。 トーラス結び目に関しては、互いに素な自然数の組に対して定まるヴィラソロ代数の最高次ウエイト表現の一群であるminimal modelの指標との関連がHikami-Kirillovらにより研究されていた。 今回、トーラス結び目のハッセ・ヴェイユゼータ関数のディリクレL関数による表示と上記のminimal modelの指標に現れる半整数ウエイト保型形式、またアレクサンダー多項式の逆数の級数表示との関連について結果を得た。今回の研究成果の意義のひとつは、ついに無限個の結び目からなるクラスに関してゼータ関数を決定したことである。これによりゼータ関数のほかの結び目不変量との関連を調べるための手掛りが得られた。また他の結び目のクラスのゼータ関数に対しても、その表示に現れる対象(アレクサンダー多項式など)を具体的に予想することが可能になった。本研究内容については現在論文を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トーラス結び目のA多項式のハッセ・ヴェイユゼータ関数を明示的に書き下せた結果、本研究課題の目的である結び目のハッセ・ヴェイユゼータ関数の表示において、一般に結び目のアレクサンダー多項式に対応する項が現れる可能性を見出すことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究成果を踏まえ、研究計画にある通り双曲2橋絡み目の指標多様体の構造およびゼータ関数を調べ、デーン手術により得られる結び目の指標多様体及びゼータ関数との関係を調べる。また閉3次元多様体の指標多様体及びゼータ関数について調べる。
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Research Products
(3 results)