2014 Fiscal Year Annual Research Report
位相的量子場の理論とホモロジー型の絡み目不変量について
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13J01362
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田神 慶士 東京工業大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コバノフホモロジー / 正絡み目 / 位相的量子場の理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
絡み目とは三次元空間に埋め込まれたいくつかの円周である。特に成分数が一つのものを結び目という。絡み目の研究では絡み目不変量と呼ばれる量を用いて,絡み目の幾何的性質を探ることが目標となる。コバノフホモロジーとは近年発見された絡み目不変量であり、多くの幾何的性質を評価する有用な不変量である。採用者はコバノフホモロジーに関して研究を行い当該年度において以下の結果を得た。 1、コバノフホモロジーは位相的量子場の理論と呼ばれる数学的対象を用いて構成できることが知られている。採用者は採用1年度目の研究で、位相的量子場の理論の拡張であるホモトピー的量子場の理論を用いてコバノフホモロジーの類似の不変量を構成した。特にそれは曲面上の絡み目図式に対して定義される。さらにこの構成を応用して仮想絡み目と呼ばれる絡み目の一般化に対してホモロジー不変量を幾何的に与えた。さらにこの不変量が既存の不変量と一致することもわかった。 この研究に関して採用2年度目には、仮想絡み目のホモロジー不変量を用いて、仮想絡み目の交点数に関する不等式を与えた。この結果は仮想絡み目の交点数の決定や分類に応用されることが期待される。この結果については、採用1年度目までの結果と合わせて現在学術雑誌に投稿中である。 2、コバノフホモロジーの最大ホモロジー次数が絡み目の正交点数を評価することが知られている。採用者のこれまでの研究により、ある結び目に対し、それを偶数本平行化して得られる絡み目(ケーブリングと呼ばれる)のコバノフホモロジーの最大ホモロジー次数がもとの結び目の正交点数を評価することがわかっている。 この研究に関して採用2年度目には、奇数本平行化して得られる絡み目に関しても同様の性質が成り立つことがわかった。またコンピューターを用いた数値実験を見ると、多くの例についてこの不等式は既存の不等式よりも精密なものであることがわかった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)