2013 Fiscal Year Annual Research Report
真理の多元主義の可能性の検討 -インフレ主義対デフレ主義の論争を巡って-
Project/Area Number |
13J01371
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 淳平 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 真理 / 真理論 / 真理の多元主義 / デフレ主義 / 真理の対応説 / 真理の整合説 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は, 近年米豪で盛んに研究されるようになった真理の多元主義と呼ばれる立場を理論的に解明し, 擁護することである. 申請書に記載した初年度の具体的な研究内容は下記の通りである. 1. 真理の多元主義の定式化および整理. 2. 真理の多元主義への批判に応答すること. 3. 現在最も有力な真理論とされているデフレ主義を批判的に検討し, この立場よりも真理の多元主義の方が優れていると示すこと. 以下では、上の三つの課題の研究実施状況を順に報告していく。 まず1について. 米豪に比べると日本の真理論研究は, 1990年以降の新しい立場について十分な量の研究がなされているとは言い難い. そこで本研究は, 90年以降の新しい真理論研究を日本の論壇に紹介するという役割を担っている. 同時に, 日々更新されていく国外の最新の研究をフォローし, 最前線から取り残されないようにするという重要性も持っている. 研究成果については哲学若手研究者フォーラムにおける口頭発表としてまとめた. 次に2について. 真理の多元主義には, インフレ主義と呼ばれる伝統的な立場と上で述べたデフレ主義からの反論が寄せられている. しかしながら国外の最新の研究でも, 真理の多元主義が新しい立場であるせいもあり, ごく限られた多元主義者からの応答があるのみである. そこで本研究はこれらの批判に対する有効な応答を案出し, その成果を博士予備論文としてまとめた. 最後に3について. これまでの研究は多元主義の擁護に費やしてきたので, 3ではこの立場が単に新しいだけでなく, 既存の立場, それも最も有力とされているデフレ主義よりも優れていると示すことを目的とした. こうした試みは国外でもほとんど行われていないため大きな意義があると言える. 本研究の成果はWorld Congress of Philosophyにて口頭発表にて報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は初年度に, 上記「9. 研究実績の概要」の項で述べた三つの課題を行うよう計画した. その項でも述べたように, 本研究はそのいずれの課題についても明示的な形で成果発表を行っており, 申請書に記載したとおりの予定で研究は進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
「9. 研究実績め概要」で述べた課題のうち, 3番目については, 成果発表の除, およひ指導教官との議論からいくつか重要な反論があった. こうした反論はいずれも, デフレ主義という立場をより深く掘り下げる必要性があることを示唆している。したがって, 3の研究については次年度に引き継いで研究を行うこととする. 具体的には, 国外の代表的なデフレ主義者に直接会いに行き, インタビューすることから, より詳細にデフレ主義という立場を特徴づけることを試みるつもりである, それ以外の研究については, 申請書に記載したとおりに行う.
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Research Products
(4 results)