2014 Fiscal Year Annual Research Report
非同期セルオートマトン神経系モデルとその動的再構成回路実装による神経補綴の基礎
Project/Area Number |
13J01385
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松原 崇 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ニューラルネットワーク / スパイク発火列 / 時系列予測 / FPGA / fMRI / シナプス可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に非同期セルオートマトンでモデル化した神経細胞によるネットワークを用い, 生体及び既存の精緻なモデルによる神経組織の活動を少ない計算量で電子回路上に実装することに成功した. 本年度はさらに既存モデルを様々な条件下で検討することで丁寧に比較し, 提案手法の優位性を確固たるものとした. 特にラットの生体神経の活動パターンについて, 既知のデータのみならず検証のための未知のデータについても良い再現性を示している. これは生体神経の活動を単に記録し再生するわけではなく, 内在的なダイナミクスまで再現出来ていることを示唆している. このような静的な神経系のダイナミクスの再現は, 研究目的である神経歩鉄機器の開発の基礎に最も重要な点の一つである. また脳情報通信融合研究センターとの共同研究として行っていたfMRIを用いた大規模脳活動のモデル化においても, 昨年度提案した数理モデルを根本的に改良し, より高い再現精度及び予測精度を実現した. またシナプス可塑性の実装にも取り組んだ. やはり効率的な実装が可能であると示唆された. 神経系は日々変化し新しい昨日を獲得しており, 生物の知能や記憶を司っていると考えられており, その変化を司るシナプス可塑性の再現及び実装は重要である. しかし, 昨年度の報告書でも述べた通り未だ数理モデル化されていない現象が多数存在する. そのためシナプス可塑性のモデル化にも取り組んだ. 特に神経回路の結合の強さが活動の強度に依存する点に着目しモデル化を行った. これにより様々な生体実験データを説明できるのみならず, シナプス可塑性が神経活動に対しある種の安定化や正則化を行っていることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であった生体神経の活動及び可塑性の実装にみならず, 大規模神経系のダイナミクスのモデル化やシナプス可塑性のモデル化にまで踏み込んだ. このため当初の予定を上回る成果を得ている. なお申請者の就職に伴い本年度を持ってこの研究課題は完了となった.
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Strategy for Future Research Activity |
申請者の就職に伴い本年度を持ってこの研究課題は完了となったため記入しない.
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Research Products
(9 results)