2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J01415
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大坂間 順規 熊本大学, 大学院薬学教育部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 第三級アミン / シアノ化反応 / 嵩高さ / アセタール |
Research Abstract |
申請者がこれまでに開発した嵩高い脂肪族第三級アミンをヒドリド源としたエノンの共役還元反応で得られた知見を基に、嵩高いアミンα位にシアノ基を導入することに成功した。このシアノアミンは、市販品からわずか1工程、良好な化学収率にて合成可能である。また、これを利用したシアノ化反応を行ったところ、アセタールを用いた場合、高い化学収率で目的のシアノ化体を得ることができた。そこで、シアノアミンによるアセタールのシアノ化反応において、各種反応条件の最適化を幅広く行った。基質一般性の調査段階においては、様々なアルデヒド由来のアセタールにおいて良好にシアノ化反応が進行すること、さらにオルトエステルにも本手法が適用可能であることを見出している。 従来、シアノ化反応は、人体に有害なシアン化物を使用することが多く、その危険性が問題視されていた。その一方、開発したシアノアミンは、室温化で長期間安定に存在することを見出しているため、本手法は安全かつ簡便なシアノ化反応と位置付けることができる。このように、新たな反応剤としてアミン誘導体を開発し、これを利用した有用な化学変換へと展開することができた。 また、ジヒドロピランと各種アルコールから調製した非対称アセタールを反応基質とした場合、位置選択的なシアノ化反応が進行することを見出した。今後は、この選択性の改善や、更なる基質への応用、反応機構の解明等を中心に行う予定である。それらと並行して、別のアミン誘導体の合成も目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに開発した嵩高いアミンによる還元反応を基盤とし、アセタールのシアノ化反応へと展開することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
シアノアミンによるシアノ化反応において、更なる基質適用範囲の拡大を目指す。また、詳細な反応機構を解明し、その結果を更なる展開へとフィードバックする。さらに、アミンにキラリティーを導入することで、不斉シアノ化反応へと展開するとともに、シアノアミン以外のアミン誘導体を合成する。
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Research Products
(6 results)