2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J01433
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 伸一 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 乾燥亀裂 / 動的スケーリング則 / サイズ分布 / 統計則 / 破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
粉体-水混合ペーストなどを乾燥させてできる乾燥破壊パターンは、乾燥のさせ方の履歴に依存して時間発展し、その統計的性質である平均破片サイズや破片サイズ分布などは時間に依存して変化する。特に、時間変化する破片サイズ分布は、平均サイズでスケールする事で時間に依らない分布形へ収束していく事(動的スケーリング則)が知られている。我々は乾燥破壊パターンの時間発展を連続体モデルや確率モデルを使って調べ、破片サイズ分布の時間発展の性質を調べた。本年度はこれらの成果を纏めた論文を2報投稿しそれぞれ受理された。そしてさらなる研究として、確率モデルの詳しい解析と実際に乾燥破壊実験を行なって、理論と実験のそれぞれの破片サイズ分布を比較し、理論の妥当性を議論した。 我々はGibratの確率モデルを拡張した確率モデルを考案し、そこに連続体モデルから計算される破片の寿命を取り入れ、乾燥破壊パターンの破片サイズ分布の時間発展を表現するモデルを構築した。そして、その確率モデルのマスター方程式を詳しく解析し、モデルパラメーターと破片サイズ分布関数形の定量的な関係付けを行なった。そのパラメーターと分布形の関係が実際の乾燥破壊実験での亀裂パターンでもあわられるかどうかを検証する為、炭酸水酸化マグネシウム粉体と純水の混合ペーストを用いた乾燥破壊実験を行なった。結果として、実験で得られた破片サイズ分布の関数形は理論が予測する関係を部分的に満たし、乾燥履歴は破片サイズ分布の関数形に残される事が分かった。 我々の現段階までの結果は、実測においてパターンの時間発展を追う事が出来なくても、動的スケーリング則と合わせて考える事で、破片サイズ分布の関数形から乾燥履歴を読み取る事ができる事を示唆している。この成果は論文に投稿する予定である。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)