2013 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディアデータを情報源とした時系列概念ネットワークの構築とその応用
Project/Area Number |
13J01688
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
桂井 麻里衣 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Web画像 / マルチメディア / 概念間関連度 / マルチモーダル / マルチメディアマイニング / 時間情報 / 可視化 / ソーシャルメディア |
Research Abstract |
本年度は, ソーシャルメディア上のタグ付き画像に付随する時間情報を利用することで, 概念ネットワークの時間変化を検出する手法を提案し, 大規模画像データセットを用いた実験を行った. 具体的には, まず約100種類のタグを検索クエリとし, 写真共有サイトFlickrから画像とそれに対応するタグおよびタイムスタンプを大量に収集した. 次に, 特徴空間上で各概念に対応する分布を算出し, 各概念をノード, ノード間の関係をエッジとみなして概念ネットワークを構築した. さらに, 時間軸上でサンプルが与えられた際に, 概念ネットワークの逐次更新を行う手法を提案した. 本研究課題では, 周囲の概念との関係が急激に変化した概念を参照することで, 時間軸上で顕著なイベントが検出できると仮定していた. この仮定に基づき, 新たに概念ネットワークの時間変化を表す指標を定義した. 実験の結果, 当初の予想通り, 時間変化を表す指標を参照することで, 時間軸上において顕著なイベントおよびそれを表す画像が検出できることが明らかとなった. 得られた成果については国内学会において口頭発表を行った. タグ付き画像のようなマルチメディアデータの集合における時間分析を行う研究は国内外において近年注目され始めたばかりであり, 提案手法についても, さらなる高効率化・高精度化を目指している. なお本研究課題では, テキストデータを対象とした従来のデータマイニング手法とは異なり, マルチメディアデータから算出されるテキスト特徴および画像特徴を協調利用するための枠組みが必要不可欠である. そのため本年度は, 前述の研究内容と並行して, 異種特徴から算出された潜在空間において利用すべき距離尺度の調査を行った. 以上の成果に関しては信号処理分野のフラッグシップ国際会議において口頭発表するとともに, 学術論文誌に投稿を行い, 本年度中に採録決定済みとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画では, ソーシャルメディア上のタグ付き画像に付随する時間情報を利用し, 概念ネットワークの時間変化を検出する手法を提案することを予定していた. そこで, まず画像特徴のみを用いて概念ネットワークを逐次更新する技術を考案し, その時間変化を表す指標を新たに定義した. さらに, 本研究で必要不可欠となるテキスト特徴および画像特徴を協調利用するための技術を改良し, その成果を国際会議および査読付き論文誌において公表した. 本年度の最後には, 以上の二種類の技術に基づきマルチメディアデータのテキスト特徴および画像特徴を協調利用した時系列概念ネットワークの構築およびその変化検出手法を考案した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は, 平成25年度に得られたに基づき, より効率的にマルチメディアデータから時系列概念ネットワークを構築するための技術を開発する. さらに, 提案手法の実社会へ向けた応用・展開を考え, 国別・地域別に抽出された情報をリアルタイムに提示することのできるシステムの開発を行う. このとき, ユーザの興味を惹きつけるための効果的な可視化方法について検討する. また, クラウドソーシング等を活用した大規模なユーザ評価実験を行うことで, 実社会における手法の性能を明らかにすることを予定している.
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Research Products
(4 results)