2013 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚ターンオーバーの破綻を惹き起こす微小構造変化のイメージング
Project/Area Number |
13J01699
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
一本嶋 佐理 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 蛍光イメージング / 皮膚 / 細胞分裂 / ケラチノサイト / 分子配向 / 幹細胞 |
Research Abstract |
皮層は、様々な外部刺激に対するバリアとして働き、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)により健康な状態を保っている。しかし、継続的な刺激や老化では皮膚は不可逆的に変化していくことが知られている。表皮では細胞周期の遅延や異型な幹細胞の出現が起こり、真皮ではコラーゲンの走行や量の異常が起こる。そこで本研究では、各種刺激における表皮・真皮の構造変化の初期過程における変化を明らかにすることを目的とする。まず、皮膚の微小構造変化を明らかにする方法の1つとして、分子の配向を可視化する「分子配向イメージング法」を立ち上げた。また、全身の細胞で核が光るH2B-EGFPマウスとヘアレスマウスを数回交配することで、H2B-EGFPヘアレスマウスを得た。そのH2B-EGFPヘアレスマウスを用いて、生きた状態のマウスの皮膚を3次元で経時的に観察することに成功した。更に、形質膜や微小管、中心体、核などを可視化するプラスミドを作製し不死化ケラチノサイトの細胞分裂の様子を観察できるようにした。また、不死化ケラチノサイトを利用して3次元皮膚モデルを作製するため、分化させるタイミングや播種する細胞密度等の条件について検討した。また、基底層のケラチノサイトは分裂することができるが、基底上層のケラチノサイトは分裂することができない。基底層のケラチノサイトのみに発現するインテグリンの局在が分裂の際にどのように変化するのかを調べるために、インテグリンの蛍光タンパク質の融合タンパク質を発現するプラスミドを作製した。今後は、このプラスミドを導入した不死化ケラチノサイトを用いて3次元皮膚モデルを作製し、経時的な観察を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子配向イメージング球面収差補正テバイスを使った実験については、計画通り順調に進展した。また、マウス皮膚の染色方法の検討では、表面から直接色素を浸透させる方法は困難であることが判明した。そこで、計画していた代替法に切り替え、H2B-EGFPヘアレスマウスを樹立し、利用することでin vivoの系の実験を進めることができるようになった。更にin vitroの系として不死化ケラチノサイトを導入し、細胞接着や細胞分裂に関連した分子の可視化にも成功した。次年度以降にはこれらの実験を利用した成果が期待できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
正常なマウス皮膚において、分裂数・分裂軸といった細胞分裂に関わる解析を行う。また、皮膚への刺激条件の検討を行う。更に、分子配向イメージングを用いて、生きたマウスの皮膚を観察する系を確立する。一方で、不死化ケラチノサイトで3次元皮膚モデルを作製し、それを顕微鏡下で経時的に観察できる系を確立する。
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Research Products
(10 results)
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[Patent(Industrial Property Rights)] 液晶光学デバイス2013
Inventor(s)
一本嶋佐理, 根本知己, 日比輝正, 田辺綾乃, 橋本信幸, 栗原誠, 松本健志, 横山正史
Industrial Property Rights Holder
シチズンホールディングス
Industrial Property Rights Type
特願
Industrial Property Number
2013-262481
Filing Date
2013-12-19