2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヴィクトリア朝期の小説における反帝国主義の流行とそのプロパガンダ的特長の研究
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13J01716
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
深町 悟 広島大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Invasion Literature / The Battle of Boulogne / The Invasion of 1883 / The Channel Tunnel / Fifty Years Hence / The Carving of Turkey / How John Bull Lost / The Story of the Channel |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究計画はこれまでの研究を土台に博士論文を書き上げるというものであった。平成25年度から行っているこれまでの研究とは1871年に誕生した「侵攻文学」(Invasion Literature) などと呼ばれる英国の小説群の研究をその始まりから10年間に渡って調べ、特に個々の作品の特徴をプロパガンダ的な視点から論じるものであった。今年度は、それらの研究対象となった作品について反帝国主義的な思想との親和性を確認し纏めた。さらに、研究対象を「海峡トンネル危機」(Channel Tunnel Crisis) と呼ばれる英仏海峡トンネル建設に関する国民的な動揺が最も高まった1882年の作品までとし、1871年から1882年までの「侵攻文学」作品を一通り網羅した研究を行った。具体的には、「ドーキングの戦い」('The Battle of Dorking', 1871)、『1883年の侵攻』(The Invasion of 1883, 1876)、『海峡トンネル、つまり英国の破滅』(The Channel Tunnel; or, England's Ruin, 1876)、『50年が過ぎ』(Fifty Years Hence; An Old Soldier's Tale of England's Downfall, 1877)、そして、『トルコの分割』(The Carving of Turkey, 1874) である。さらに、「海峡トンネル危機」が最も高まっていた1882年の作品では、『いかにジョン・ブルがロンドンを失ったか』(How John Bull Lost London, 1882)、『海峡トンネルの話』(“The Story of theChannel Tunnel”, 1882)、そして、『ブローニュの戦い、いかにカレーが再び英国のものとなったか』(The Battle of Boulogne:Or, How Calais became English again, 1882) を取り上げ、「侵攻文学」のプロパガンダ的手法と、その反帝国主義的な思想について論じた。 今年度はこれまでの研究を元に、上述した今年度の研究結果を加え、研究課題である「ヴィクトリア朝期の小説における反帝国主義の流行とそのプロパガンダ的特長の研究」というタイトルの博士論文を完成させた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)