2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13J01791
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
白土 智彬 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Frobenius分裂 / アーベルファイバー空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、一般ファイバーがアーベル多様体になるようなファイバーバンドルのF-split性 代数多様体の中にはファイバーバンドル構造を持つようなものがたくさん存在する。もっとも簡単かつ非自明(かつコンパクト)なファイバーバンドルは線織曲面であるが、線織曲面において全空間がF-splitになるための必要十分条件がMehta-Srinivas、Mehta-Ramanathanにより知られている。そこで次に簡単なファイバーバンドル構造を持つような多様体は楕円曲面ということになるが、私の研究で楕円曲面において全空間がF-splitなるようなものを全て調べ上げた。ただしこの研究では全てのファイバーが順ファイバーであるという仮定をおいている。さらにより一般に一般ファイバーがアーベル多様体にであるようなものについても全空間がF-splitになるようなものを全て調べあげることができた。 2、野性的ファイバーを持つような楕円曲面のF-split性とその応用 1において順ファイバーのみを持つような楕円曲面のF-split性について調べた。そこで自然な興味、および一般化として野性的ファイバーを持つような楕円曲面においてF-splitになるようなものを調べ上げた。この結果は1で得られた証明方法を少し修正することによって得ることができる。また主定理において得られた結果を応用していくつかの結果を得ることができた。 3、ブローアップされた曲面のF-split性 与えられたF-splitな代数多様体に対し、そのブローアップを考える。ブローアップ後の代数多様体がF-splitになるのはどのような時か?という基本的な疑問に対し、3の研究ではブローアップセンターがある意味で一般的かつ反標準因子が正、という条件のもとブローアップされた曲面がF-splitになるような条件を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究は大きく分けて3つある。その3つ全てにおいて当初予想していた通りの結果を得ることができたので、今年度の研究は順調に進展していると言える。1つ目の研究はアーベルファイバー空間に関するFrobenius分裂性であり、特に順ファイバーしか持たないような状況で、全空間がFrobenius分裂するようなものを全て列挙することができた。2つ目の研究は1つ目の研究では調べきれなかった野性的ファイバーという正標数特有の現象を持つようなファイバーを持つようなものに対しても、1つ目の研究で得た結果を応用して得ることができた。さらに1つ目と2つ目の研究で得た手法を応用して、いくつかの応用を得ることができた。これは当初、予想していなかった結果であるが研究全体の流れから意味のある応用だと思っている。
3つ目の研究は1つ目2つ目とは少し視点を変えた研究であり、ブローアップという基本的な代数多様体に対する操作に対して、Frobenius分裂性が保たれるかどうかを考えた。一般的には多くの点でブローアップすればFrobenius分裂性は保たれないが、ブローアップの中心の点の個数が少ない場合はFrobenius分裂性が保たれることが多い。この事実から基本的な代数的曲面に対して、ブローアップの中心の個数で持ってFrobenius分裂するような代数曲面に関する十分条件を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針としてはまず、曲線上の代数的ファイバー空間に対して、全空間がFrobenius分裂するようなものを特徴づけたい。これは今までの研究から自然に考えられる一般化であり、全空間のFrobenius分裂性を特徴づける情報としていくつかの候補が挙げられる。これらの情報がどのように全空間のFrobenius分裂性に関わるかを今後の研究で調べていく。さらに同時に曲面上の代数的ファイバー空間に対しても同様の問題を考える。曲面上の代数的ファイバー空間に対しては、曲線上の代数的ファイバー空間とは違いいつでも平坦とは限らないところが大きな問題であるが、いくつかの具体例などをじまずは曲線上の時とはどのようなことが本質的なところが違うのかを研究していく。
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Research Products
(2 results)